2004年11月20日(土)
△▼11/20のゼミ▼△
本 日のテーマ ・自由課題
ストーリー 1
ショートシナリオ 1
出席者: 男 5 女 2 見学 1(女)
久しぶりにすっきりした秋晴れの日。あの暑かった夏の日はどこにいったのか。朝晩のひんやりする空気が心地よい。元気な女性が見学に現われることになっ た。いっそのこと作品持参で来てもらうことにする。その中身は下の報告をご覧あれ。
まさに、天高くシナリオ・ゼミの日である。
舞台は、北海道。演劇部の二人の女子高生が、ひょんなことから誘拐される。犯人は銀行強盗。だが、これまたひょんなことから強盗をしてしまったというド ジで小心な男である。しかも思わぬことで手にしたピストルをぶっ放して行員に重傷をおわせてしまったという。男は女子高生を人質にして逃げた…はずであ る。だが、いつしか主導権は少女たちに奪われ、男はつき従うしかない。かくして、三人の奇妙な逃避行が展開する。
1.山室作品「荒野の輝き」(ストーリー)
これは大分前に映画用の長編シナリオにしたものである。コンクール応募の際につけた梗概なのだが、とてもチャーミングに書けている。みなシナリオを読み たくなるストーリーだと評判は上々だった。(シナリオより面白いかも…という陰口はアシモフです)
時間がたって突き放して見られるようになったらもう一度書き直してみようと思っていた。今は貯金箱のように貯めているところだという。確かに、いま改め て見直すと、ぼく(アシモフ)にとっても思わぬ発見がある。以前のゼミではいえなかった意見やアイディアがいろいろと生まれてきた。
ドラマの進行に従い、三人の位置(力関係)がいろいろ入れ替わるのがいい。ラストに、ピストルでロシアン・ルーレットをするシーンが出てくるが、それは このドラマの象徴でもある。いっそ、「ロシアン・ルーレット」という題で全面的に書き直したらいいのではないか。その場合は1時間ものにしたほうがいいと 忠太郎師のアドバイス。
見学の手土産がわりのショート・シナリオというのがニクイ。別のところで忠太郎師の課題「雨」に応じて書いたものである。エッセイや童話は書いたことが あるがシナリオは初めてだという。初めてにしてはト書きにもセリフにも無駄がなく、感心させられた。
2.貫目作品「灯子と、とう子」 (ショート・シナリオ)
「雨」という課題なのに、「携帯電話」がドラマを展開するエンジンである。初めて携帯をもった妻と夫との確執を描いたものだが、初めは霧雨だったの雨は 次第に激しくなり、最後は雷雨になる。ドラマの展開を「雨」の変化で表そうとしたのはなかなかである。
ほぼ完璧かと思っていたのだが、話しているうちにいろいろと欠点も見えてきた。無駄はないと思ったのに、ショートシナリオであるゆえの無駄が浮かび上 がってもきた。例えば、妻の状況を描いているトップシーンは果たして必要だろうか。それよりさっさと本題に入りたくなった。これはシナリオを書くのが初め てでなくても陥りがちのことだが、必要だと思って描いても単なる説明であってドラマにはなっていないことがよくある。それは、そのシーンの目的が何なのか をきちんと考えないで書くからだと思う。思いついたことを当たり前のように書いていくとシナリオになっているように見えるけど、そうそううまくいくもので はない。そこでグッと立ち止まってもう一度考え直してみる必要があるのだ。(これは自戒をこめていうのだけれど)
しかし、この作者の元気エネルギーは貴重だ。ぜひ入会して、わがゼミを活性化してもらいたい。(彼女は入会を約束したけど)
アフターはいつもの喫茶店で。少数精鋭で、しみじみと語り合った。
父君を亡くしたばかりのOT君が、久しぶりに現われた。食道ガンで1年前から療養中だったのだが、ついに帰らぬ人となられた。OT君は長男としていろい ろ苦労があっただろう。見かけは元気だが今も脱力感があるという。無理もない。父君は、なんとぼく(アシモフ)と同じ年だった。なんとも早すぎる死だ。心 からご冥福をお祈りする。
△
このページの無断転載・複製を禁じます。
Copyright(C)asimov. 2003 All rights reserved