2004年6月5日(土)
 


△▼6/5のゼミ▼△


本 日のテーマ
・自由課題

ストーリー      1
長編シナリオ     1
出席者: 男 7   女 3


  久しぶりに川崎Nさん、事務長と旦那氏が来て活発なゼミとなった。変則的に夜の6時からのゼミだったが、夜の池袋のネオンはなかなか猥雑だ。
  週末の盛り場はなぜかやるせないものがある。僕はもう「冒険」に飛び込む歳ではないが、市川K君がこの夏ブラりとインド旅行をするという話を聞いてうらや ましくなった。

(今回からは、しばらく忠太郎師がまとめます。事務長の感想もありますので、合わせて参考にし てください。)


○自由課題

1. 近田作品「天使がくれた赤ん坊」(ストーリー)

 一人の警官が殉職死した。厄介なことに彼の先輩警官がかねがねその妻に思いを 寄せていた。半年後二人は結婚する。ところが、女は妊娠3ヶ月で身重の体であった。夫が死んだのが半年前、計算が合わない。女は貞淑を絵にかいたような人 でとても浮気をしたとは考えられない。
 新しい夫の苦悩の始まりである。いったい赤ん坊は誰の子か。おまけに、生前から異常に嫉妬深かった亡き夫が新しい夫の前にお化けとして現れ、しきりにけ ん制するのである。
 俺の女に手を出したら承知しないから、と。もちろんストーリーでは、夫婦だからそっちのほうはチャンとあるのだが、二人の結婚は霊界にまでは届いてな かっ たのかもしれない。
 そんなこんなで悩む男に女が同情したり、男は女がまだ首につけてる亡き夫のプレゼントのネックレスが気になったりで、奇想天外のエピローグを迎えるので す。
 材料が魅力的な割には、いつもの調子で作者の詰めはアバウト、議論千出でした。なかでも「天使」のありようが問題で、題名と中身がそぐわない、女がわか らない、何で最後に女が死ぬの、とにぎやかでした。結論は、面白くなりそうなので、ストーリーの作り直しに落ち着きました。

 この話はシリアスなのか、ファンタジーなのか、三角関係の織り成すラブストー リーなのか、コメディなのかホラーなのかそれともその全てを混ぜ込んだモノなのか、はたまたそれら全ての『お約束』を打ち破った『近田ワールド』を樹立す るのか、いづれにしてもとても面白い作品が出来るであろう香りがするので、キャラにもっと色をつけて話を膨らませて欲しいと思います。楽しみにしていま す。(事務長)


 2.小沼作品「街のすみのすみ」
   (長編シナリオ 200×240枚)

 いつか出たストーリーの「情念ハメハメ節」を改題して、長編に仕上げた。120枚のものは数本読んでいるが、240枚のものははじめてである。いい改題 である。
 作者のこれまでの、いい意味でのこだわりは「性と暴力」だった。その発想はなかなか切れ味がよく、個人的にはとても好きだった。しかし、湿ったわが国の 土壌では、自分でお金を作って映画をつくるならいざ知らず、シナリオでトライするなら、なかなかタランチーノとは行きかねる。
 本人もそれにきずいての改題とみたのだが、なかなかどうして中味には過激なセリフがいっぱいで、アフターゼミでアシモフ氏と二人、「シナリオの王道に帰 れ」ときつく言い渡した。
 話は面白いのだ。
 18年前大きいお腹で家出した浮気女房が、17の娘を連れて戻っていた。気よわなタクシー運転手の父親と女に自信がなくてAVばっかり見てるフリーター の長男は、うれしさ半分戸惑いの連続である。
 17の娘はクールな美女で、「あんたの娘よ、あんたの妹よ」といわれても、男二人はどう対処していいかわからない。そこで起こる家族ドラマだ。
 作者が「街のすみのすみ」と念押しした思いがここで、明確になる。
 事実としては、よくある話ではない。けれども市井の「すみのすみ」で人々の心に、こうした家族間の感情のねじれは日常茶飯事であるだろうと思う。孤独と 寂寥の。
 「性と暴力」を沈潜させた、新しい「ホームドラマ」を期待したい。

 久し振りに小沼氏の作品を読んだのですが、相変わらず『ボコボコ』『AVビデ オ』『主人公の友達』のキーワードがあり《小沼の世界》が健在で何となく嬉 しくなりました。このまま小沼氏の魅力的な世界を貫いて欲しいと思いました。ただ、ストーリー、キャラ共にメリハリが無く、あまりにも淡々としているのが 残念だったように思います。(事務長)




  ア フターゼミはいつものサテンへ。

  アシモフさんが気を利かせてくれた、スパゲッテイがとてもうまかった。あそこで軽食とるなら、スパゲッテイだ。





次回は、2004年6月19日 (土)

東京芸術劇場5F/NO4会議室
時間は、13:30〜17:00

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