2004年4月3日(土)
△▼4/3のゼミ▼△
本 日のテーマ ・自由課題
シナリオ 1
ショートシナリオ 1
ストーリー 1
出席者: 女 1 男 9
桜のようすがあまり芳しくない春であったが、 新人O君が参加。初心者ではなく、これまでに別のところで基礎を学んでいたので、特別なことをしなくてもなじんでいけるようである。 四月という新鮮な時期に、こうやって新人が参加してくれるのはとてもうれしい。 だが、ますます男性優位の状況に拍車がかかるようだ。女性の奮起・参加を期待している。
○自由課題
1. 伊波作品「落魄のタイ」(ショートシナリオ)
かつて学生運動 の闘士であり、同志として結婚した夫婦。あれから30年、夫は ガンを宣告され余命いくばくもない。夫は、かつて妻を争ったライバルの男を呼び出し、死ぬ前に妻を抱かせようと思う。もちろん、妻も承知の上である。なぜ 学生運動の闘士だったのかとか、男の友情といえるものかとか、いったい妻はどんな女かとか、いろいろ突っ込みたいことは多いが、なぜかきれいな話であると いう感想が多かった。伊波風ラブ・ストーリーというべきか。ただし、30年前のことを思えば、タイよりはベトナムの方がいいのではないかとも。
いずれにせよ、書き込むべきところをはしょらないで1時間作品にすべきだという忠太郎師の意見にしたがって、長さに臆せず仕上げてほしい。2.千葉作品「期限切れ」(ストーリー)
ピンク映画用の シナリオコンクールに応募するという。狙いがはっきりしている。
こういうコンクールがあるのは始めて知った。賞金はテレビドラマと比べると、比較にならないくらい安い。だが、どんな形であれ、世に出て行けるのなら、 それにこしたことはない。今の日本映画界の力となっている多くの監督は、ピンク映画やポルノ映画出身であることだし、大いに期待したい。
期限切れのコンドームをめぐって、期限切れの人間関係を軽やかに描こうとしている。
狙いは悪くないが、さらっと行き過ぎているようである。もっと喜劇にして、もっと毒がほしい。3.松原作品「地図」(長編シナリオ)
故郷の浜松を舞 台に展開するドラマである。最初にストーリーを検討したの が、去年の10月。ちょうど6ヵ月かけてシナリオにまで仕上げたのは、なかなか立派である。みんなでまわし読みをしたが、「居残りアシモフ」に忠太郎師が 書かれた評につきると思うので、それをここに転載しておくことにしよう。
☆ 普通の暮らし・忠太郎
またまた素敵なシ ナリオを読むことになった。浜名湖M君の「地図」ぺラ240枚である。ちょっと前にアメリカ映画に 「普通の人びと」という佳作があったが、「地図」には普通の人びとが営む地方の町の普通の暮らしがあり、作者が故郷の土地と人びとに注ぐやさしく、暖かい まなざしがあふれている。
僕の生家も地方の小さな町で商売をやっていた。父親は僕に後を継がせたくて大学行きに大反対した。僕はそれを振り切って東京に出た。そんなことを思いな がら「地図」を読みすすむうちに、何度か熱いものがこみ上げてきた。といっても、こういう材料のものにありがちな、 おざなりの、押し付けがましい「人間愛」は、「地図」には行もな い。
アフターゼミは、いつもの喫茶店が改装中で閉まっていたので、 隣のビルに行く。コーヒーは抜きで、いきなり飲み かつ喰らう会となった。新人のO君もW塾の後輩とあって、みんなと溶け込むのは早い。談論風発、時の過ぎるのは早かった。
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