2003年11月15日(土)
 


△▼11/15のゼミ▼△


本日のテーマ
・自由課題 ストーリー      1
ショートシナリオ   1
出席者: 女 1   男 7(新人1人含む)


またもや新人の入会である。先日見学に来たUさんの友人だ。ただし、男性。この傾向はとどまること知らずである。忠太郎師が仕事で来られないため事務長の奮闘に期待したのだが、彼女は体調不良で欠席。だが、紅一点ベテランのYさんのおかげで、実りあるゼミとなった。

○自由課題

1.小沼作品「情念ハメハメ節」(ストーリー)

 お笑いを目指す青年とタクシー運転手の父親。その父子家庭に17年ぶりに母が帰って来た。しかも娘を連れている。母は身ごもっていたのに情夫と駆け落ちしたのだった。
 この発端は、なかなか鮮やかだ。波乱万丈のドラマの予感がある。
 昔、人身事故をおこしたが、そのときの快感が忘れられず、もう一度人を轢きたいと思っているという父親のキャラクターは、小沼の面目躍如たる所がある。
 母と一緒に来た少女は、もちろん青年とは父親が違う。この少女も独特である。母親に連れまわされて心が空っぽになっているという。
 父親は自分の子ではないのに少女に執心する。
 彼女の登場で局面が変わるのだが、少女が中心なのか父親なのか、青年なのか、焦点が絞りきれていないので、それぞれが十分に描ききれていない。
 全体のティストはいつもと同じだが、ドラマとしての方向は、ちょっと変わりかけている。それだけに、ラストの展開にもう一考ほしいところである。
 少女を中心に書くほうがいいのではないか。

2.小俣作品「夏」(ショートシナリオ)

 ショートであるゆえの面白さがある。
 夏が主題なのに雪の日から始まる出だしはとても劇的で、ひきつけられる。
 夫が出ていって残された女優の妻と娘の5年後の夏という設定である。パチンコでとってきたという肉をめぐって争う母娘。
 「熱いトタン屋根のねこ」の引用はなかなかおもしろい。争いの最中に帰って来た夫のラストはちょっと残酷だが、全体はスマートである。
 ナンセンス喜劇の趣もあって、意欲的である。
 演出的なニュアンスを伝えようとして、ト書きが書き込まれているが、これはあまりいいことではない。かえって読みづらくしている。作者の思いはできるだけ抑え、後は演出家に任せるべきであろう。

○課題「雨」

1.山口作品「雨の日の思い出」(ショートシナリオ)

 題名が平凡か。テーマに即して「雨美人」としたらよかった。
 最初にインパクトを与えて、ひきつけるのも必要である。
 雨の日の現われる少女に憧れる少年。彼の憧れの人を、うそを言って横取りした結婚した男の回想というくくりである。
 青春の思い出として悪くない話ではあるが、事実を知らずに命を絶った友人のシーンの直後が、その10数年後の二人のシーンとなると、ちょっと辛いものがある。ショート・シナリオであるがゆえに、後味が気になる。
 今度はあまり枚数にとらわれずに書くといいのではないか。



もう1本、新人Sからストーリーの提出があったが、時間がなかったので次回送りとした。出席者にプリントを渡してあるので、読んで来て欲しい。

次回は、M君の友人の女性が二人見学にくるという。このところ女性陣の旗色が悪いので、大いに期待したい。



 
次回は、2003年12月6日(土)

東京芸術劇場5F/NO1会議室
時間は、13:30〜17:00
(いつもと教室が違います)

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