2003年8月16(土) △▼8/16のゼミ▼△
本日のテーマ ・自由課題 ・課題
ストーリー 1
シナリオ 2ショート・シナリオ 1
出席者: 女 2 男 8 先輩(男) 1
新人が4人一挙に入会した。しかも全員男性である。かくして、女性優位から男性優位のゼミに変身しつつあったのが、ここに完成したということだろうか。
ある意味で、わがゼミのルネッサンスともいえる。
〇課題(ショートシナリオ)
1 松原作品「同窓会」
これは、かつて忠太郎師がW塾で出した課題のショートシナリオで、きょう は、入 会の挨拶代わりの提出ということである。
高校を出て10年後の同窓生のそれぞれ。30歳直前の微妙な時期である。同窓会に出たやつ、出なかったやつ、出ようと思ったのに出るのをやめた女性。三人のそれぞれ。高校 時代の淡く苦い思い出がよみがえり…。
ストーリーの運びもたくみで、なかなか読ませる。「同窓会」という設定はもともとドラマが生まれやすいので、いろいろな物語がある。それだけに作者の特質がはっきりする。
まずは、挨拶代わりのクリーンヒットに拍手を送り、次回を期待しよう。○自由課題(ストーリ) 1 伊波作品「夢ことごとく破れ」
かつて学生運動の盛んだった時代に、学生結婚した夫婦の30年後の物語である。
主人公の夫は、一流銀行に就職し、順調な人生を送っていた。だが、不況の折から融資先の中小企業主が自殺する。ショックを受けている最中に、妻に不倫を告白され、落ちこむ。
男は会社を早期退職して、四国のお遍路になる。その旅は、男の心を癒してくれるものであるはずだが…。
まだ、ストーリーとは言えず、ドラマの方向を示したものに過ぎないが、設定に年輪を感じさせるものがある。単なるノスタルジーではないのがいいが、お遍路に出た段階である程度の展開が予想されてしまう。
トップシーンをどういうことから始めるかで、作品の味が違ってくる。題名のデスペレートなイメージに負けないドラマ作りが望まれる。○自由課題(シナリオ)
1 千葉作品「いつか、全力疾走で」
これは、オーディオ・ドラマとして書かれたものである。それだけに、音を生かしたものにしようという試みがみられ、興味をひかれた。
子供のころ鳥に女の子も、はや24歳。大学卒業後もふらふらしている。頭の中はいろんな音が充満していて、モヤモヤしている。そのモヤモヤを解消するために、ちゃんと就職しようとする。
最初の勤め先は花屋。毎日元気に仕事ができて順調な日だと思いきや、ある日、体に異変が…。そこで、仕事を止めると異変はおさまる。また仕事を見つける。仕事は面白いのだが、また異変が…。
仕事をやめると体の異変はおさまるのだが、今度はモヤモヤが復活する。
相談員に悩みを話す。小さい頃の夢を思い出す。あたしは鳥なりたかったんだ…。
相談員は彼女を屋上に連れていって、思い切って飛びなさいという。
果たして、彼女は…。
躊躇する主人公に「空を飛んだら仕事なんてしなくたって、一生食べていけるわよ」と平然と言う相談員が面白い。
オーディオ・ドラマを意識して音楽を多用しているが、必ずしも思うようには聴いてはもらえないと思う。だから、特にそういうことは意識せず、鳥になりた かった少女の今、ということがしっかりつかまえられればいいと思う。「異変」の面白さが思いつきで終わらないように、しっかり描いてほしい。
2 小沼作品「直下型恐竜女」(第2稿)
長編シナリオだが、時間がないので、これは個別指導とする。
小沼らしい雰囲気の横溢した作品である。新 人の諸君の意欲的な参加がうれしい。だが、自由課題でストーリーをつくのが難しいのなら、、今までに出た課題(「レモインティ」「携帯電話」「公衆電話」 等)でショートシナリオを書くのもいいということになった。ショートをたくさん書くことで、シナリオに親しむというのはいいかもしれない。ともあれ、大事 なのは、書くことだから。
終わって、いつもの2Fへ。新人の3人が吉祥寺に住んでいると分かってうれしい。吉祥寺はアシモフには中3から高1までを過ごした青春(前期)の思い出の町なのである。
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