〇自由課題(ストーリー)
1 金子作品「東京モスキート・サービス」
前に一度やった作品だが、忠太郎師が参加されたので改めてのゼミ。ライバル医師の献血競争のお話だ。
発想は面白いのだが、やはり献血のリアリティが問われた。基本的に押さえなければならない事実があるわけで、それをしっかり押さえた上ではねるというのが喜劇の基本である。
筋以上に、人間に対する気持ちを補強する必要があるだろう。人物配置も変えた方がいいかもしれない。例えば、採決マニアの看護婦と献血マニアの女の争いとか…。こういう喜劇は、根底に何があるかが問われる。例えば、人間は欲望で動くものだ、というようなもの(思想とまでは言わないが)がきちんとあると、思いきりドタバタになる。
人情喜劇ではない要素があるのだから、それをのばしてほしい。もう少し練ることにする。
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○課題『坂道』(ショート・シナリオ)
1 佐々木作品「坂道〜宇宙医療センター篇」
前作と同じく「坂道」がモチーフだが、今度はSFなのがミソ。作者の多彩な才能がうかがえる作品だ。ポエジーがあると、好評だった。
ずっと宇宙病院にいる少年。足が悪くて地球から治療に来た頑固な老人。ひょんなことから二人は知り合う。少年は「坂道」を知らない。坂道が嫌いな老人から話を聞いて、よりいっそう憧れる。少年にとっては老人が唯一の友だちとなる。少年に友だちといわれて、かたくなな老人の心が開かれる。二人は、地球へ坂道を見に行こうと約束する。果たせない約束を…。
「坂道」というテーマを与えられて、「もし坂道を知らない人がいたら?」と発想した結果、SFになったのだという。たしかに、地球の話にしたら、普通になってしまうだろう。「坂道」という風景に人間的な匂いが付与されたと、SF嫌いな忠太郎師の評価も高かった。今度は、もっと長いもので作者の想像力を見せてほしい。
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○自由課題(ショート・シナリオ)
1 城ノ口作品「0.04mm」
「コンドーム」というややショッキングなものをめぐっての、少年少女のドラマ。大家族で兄弟が大勢いる家庭に悩む少年。コンドーム研究に励む父親を持つ少女。はたしてどんな展開になるかとハラハラさせられたが、なかなかさわやかな話になっている。
だが、まだ作者の都合でだけ運んでいるきらいがある。自然に進むために必要なことが幾つか、忠太郎師の適切なアドバイスがある。
函館のコンクールに応募するというのだが、まだ推敲の時間はあるので、もう少し考えて見ることにする。
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前回と前々回は見学者がいたのだが、残念ながら受講の申し込みにはいたらなかった。
いつもの喫茶店は貸切だったので、外に出て居酒屋に行く。ここでも、Eさんの健闘が光る。
久しぶりの忠太郎師の姿に、みんなの心が弾んだからかもしれない。微妙な女心の話などなど、抱腹絶倒の2時間であった。
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