2003年7月5日(土)
7月19日(土)

今回は2週分連続です


△▼7/5のゼミ▼△


本日のテーマ
・自由課題  ストーリー 1
ショート・シナリオ 1
・課題 ショート・シナリオ 1
出席者: 女  2  男  3 


忠太郎師の仕事が一段落したので、久々の出席。みんなも待ち焦がれていたのだが、あいにく風邪や所用で、期待の女性陣が少なかったのが残念。だが、ゼミの熱気は数ではない。お土産の「乾燥マンゴウ」をつまみながらのゼミは、いっそう熱気のあるものになったようでもある。事務長のEさんが、女子受講生に代わって大いに盛り上げてくれたおかげとも言えるが…。



〇自由課題(ストーリー)


1 金子作品「東京モスキート・サービス」



 前に一度やった作品だが、忠太郎師が参加されたので改めてのゼミ。ライバル医師の献血競争のお話だ。
 発想は面白いのだが、やはり献血のリアリティが問われた。基本的に押さえなければならない事実があるわけで、それをしっかり押さえた上ではねるというのが喜劇の基本である。
 筋以上に、人間に対する気持ちを補強する必要があるだろう。人物配置も変えた方がいいかもしれない。例えば、採決マニアの看護婦と献血マニアの女の争いとか…。こういう喜劇は、根底に何があるかが問われる。例えば、人間は欲望で動くものだ、というようなもの(思想とまでは言わないが)がきちんとあると、思いきりドタバタになる。
 人情喜劇ではない要素があるのだから、それをのばしてほしい。もう少し練ることにする。





○課題『坂道』(ショート・シナリオ)


1 佐々木作品「坂道〜宇宙医療センター篇」
         


 前作と同じく「坂道」がモチーフだが、今度はSFなのがミソ。作者の多彩な才能がうかがえる作品だ。ポエジーがあると、好評だった。
 ずっと宇宙病院にいる少年。足が悪くて地球から治療に来た頑固な老人。ひょんなことから二人は知り合う。少年は「坂道」を知らない。坂道が嫌いな老人から話を聞いて、よりいっそう憧れる。少年にとっては老人が唯一の友だちとなる。少年に友だちといわれて、かたくなな老人の心が開かれる。二人は、地球へ坂道を見に行こうと約束する。果たせない約束を…。
 「坂道」というテーマを与えられて、「もし坂道を知らない人がいたら?」と発想した結果、SFになったのだという。たしかに、地球の話にしたら、普通になってしまうだろう。「坂道」という風景に人間的な匂いが付与されたと、SF嫌いな忠太郎師の評価も高かった。今度は、もっと長いもので作者の想像力を見せてほしい。






○自由課題(ショート・シナリオ)


1 城ノ口作品「0.04mm」
         


 「コンドーム」というややショッキングなものをめぐっての、少年少女のドラマ。大家族で兄弟が大勢いる家庭に悩む少年。コンドーム研究に励む父親を持つ少女。はたしてどんな展開になるかとハラハラさせられたが、なかなかさわやかな話になっている。
 だが、まだ作者の都合でだけ運んでいるきらいがある。自然に進むために必要なことが幾つか、忠太郎師の適切なアドバイスがある。
 函館のコンクールに応募するというのだが、まだ推敲の時間はあるので、もう少し考えて見ることにする。





前回と前々回は見学者がいたのだが、残念ながら受講の申し込みにはいたらなかった。
いつもの喫茶店は貸切だったので、外に出て居酒屋に行く。ここでも、Eさんの健闘が光る。
久しぶりの忠太郎師の姿に、みんなの心が弾んだからかもしれない。微妙な女心の話などなど、抱腹絶倒の2時間であった。





△▼7/19のゼミ▼△


本日のテーマ
・自由課題  ストーリー 1
ショート・シナリオ   1
出席者: 女  2   男  3  先輩(男) 1


今日もまた、男性優位であった。だが、久々の小沼作品に活発な意見が飛び交った。事務長のEさんも元気一杯。夏に向かってエンジン全開である。月刊「ドラマ」に出した広告のキャプションの評判がよかった。「夏が来た 変わる はじける かき氷」。はて、これは俳句か川柳か。





〇自由課題(ストーリー)


1 小沼作品「クツのウラにハリついたガム」



 主人公は全員が中学生。同じ学校だがクラスの違う三人が、最後に一緒の場面に集まる。
 小沼作品の主人公は、いつも怒っているし、イラだっている。今度も、三人の中学生の「怒り」や「あせり」や「妄想」を軸に展開する。これまでは大人を主人公にしていたのだが、中学生を主人公にした方が、作者としっくり合うように思われる。今は中学生が話題になっていてとてもホットなのだが、現実の事件の場合、加害者である中学生をどう思うかは、なかなかスパッと言えないものがあってむつかしいい。だからといって、フィクションなら簡単に言えるかとなると、実はそれもむつかしいのだ。
 しかしこの中学生にはリアリティがある。特に、いじめられる少年といじめられる少女の関係が面白い。「殴る」という関係に中学生の男と女という要素を加えるのがいいのではないかと忠太郎師。また、一本通した話があるべきとも。同感である。三人の話を平行に描くのではなく、最初の中学生の二人を中心にした方が深みが出ると思う。それにボクシングをする少年の話がやや異質なので、この少年は脇にして、三人目の少年と少年が憧れる少女とを加えて、4人のドラマにしたらどうだろうか。
 しかし、作者はあまり乗らないようだ。最後に一同に会するという構成は作者の大好きなスタイルだから。だが、この構成は、面白いとばかりは言ってられない難しさがある。とはいえ、みんなには、主人公のイラツキに同感できる、エネルギーを感じる作品、等々好評だった。
 いろいろな感想や意見が交わされたが、時に批評になってしまうのは気をつけたい。ひとの書いた作品をどう感じたかどう思ったかを自分の言葉でいうことで、自分が豊かになっていくのだから。それはみんなが創作者になるために言いあうのだし。






○自由課題(ショート・シナリオ)

1 城ノ口作品「0.04mm」
         


 前回検討したものだが、書きなおしてコンクールに応募したという。改めて読む。とてもスムーズになっている。
 これまた中学生が主人公だが、小沼作品とはまったく肌合いが違う。「コンドーム」という、きわどいものを主題に据えて、よくぞ純愛ドラマにしたという感じだ。今まで作者の書いたもの中でダントツにいいと、忠太郎師。才気が存分に発揮された作品になった。
 函館のコンクールだというが、どういう人が審査員なのか気になるところだ。コンクールだから結果がどうなるかは向こう任せだが、水準は超えているので期待したい。





今日は、いつもの2Fの喫茶店でアフター・ゼミ。ここからYさんが参加。それぞれ言い足りなかったことを補いつつ、話題はあちこちに飛ぶ。Yさんのデビュー作になるはずの作品は、仕切り直しで新しくストーリーを書くことになったという。現実はなかなか厳しい。だが、根気よく取り組んでほしい。花開く日を期待して。


次回は、2003年8月2日(土)

東京芸術劇場5F/NO4会議室
時間は、13:30〜17:00



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