2003年6月7日(土)
6月21日(土)

今回は2週分連続です


△▼6/7のゼミ▼△


本日のテーマ
・自由課題  ストーリー 1
ショート・シナリオ  1
出席者: 女  2  男  3  見学(女) 1


待望久しい新人の登場。見学の女性も一人交えて、活発なゼミとなった。新しい血が加わると、みんなの気持ちも引き締まると思う。どんどん書いていこう。



〇自由課題(ストーリー)


1 金子作品「東京モスキート・サービス」



 前回、人物だけで、まだストーリーができていないのを検討したのだが、早速ストーリーに結実して出てきたのがうれしい。
 献血をめくるライバル医師の争いである。献血の現場に派遣される医師に「献血量」がノルマとして課されることはないだろうから、「献血量を競う」という話は、シリアスでは成立しない。成立させるには、それなりの設定が必要である。例えば、普段から何かとライバルとして競っている二人が急に応援で借り出され、しなくてもいい競争をする、というような…。
 かなりドタバタだが、もっと飛ばしてもいいかもしれない。二人が競い合ううちにバカバカしさが増大していくと面白い。だが、それにはかなりの腕力が必要だ。ともかく、あまり理に落ちないで進められるように、気楽に考えるといいだろう。





○自由課題(ショート・シナリオ)


1 佐々木作品「坂道」
         


 初参加の挨拶代わりの作品である。坂道の上にある家に行くまでの、お笑いを目指すコンビのやり取り。
 全体に舞台劇のようなところがあって、人物の設定はいいし、せりふ運びもなかなかうまい。短い中にもドラマがある。…と、なかなか好評だったが、軽快に運ぶ分、パンチがたりないという意見もあった。
 せりふだけで運んでいくのは、短いのはいいが、少し長いドラマを考えると、それだけではいかなくなる。ドラマは映像になるということを考える必要があるだろう。
 これは、物語の1シーンのようなものだから、今度は長いものを考えるといいだろう。ストーリーは書いたことがないようで、これは案外むつかしいかもしれないが、挑戦してほしい。もちろん、できなければ、練習のため短いシナリオを書きつづけていってもいいが、いずれは書かなければならないものである。これは「あらすじ」ではない。どういう物語世界を作るのか、というドラマの青写真のようなものだから大事なのである。





アフターゼミは、いつもの2Fの喫茶店。新人会員が加わると、気持ちが新しくなっていい。K君、S君と、男子の入会が続いた。男女の勢力分布に微妙に変化が起こっている。
シナリオ界は、依然として女性優位だし、わがアシモフ・ゼミも今は同じだ。果たして逆転があるのかどうか。梅雨の季節。体を壊さないよう、健康に気をつけてに励んでほしい。





△▼6/21のゼミ▼△


本日のテーマ
・自由課題  ストーリー案 2
出席者: 女  6   男  3  見学(女) 1


今日は作品なしかと思っていたら、前日の夜になって作品がメールで送られてくる。さらに、朝になって新作があるとの連絡があり、つつがなくゼミが成立した。見学者がいるので心配していたのだが、杞憂に終わってホッとした。送ってくるのは前日でもいいが、提出の有無はもう少し早く連絡があるといいのだが。
忠太郎師は、先日無事帰国したが国内ロケが残っているので、今日もお休み。



〇自由課題(ストーリー)


1 城ノ口作品「ブラックホールの穴(仮題)」



 ゴミの山になっている家に一人で住んでいる中年の女性。そこへゴミを片付けに一人の青年が現われる。女性は頼んだ覚えはないと断るが、青年はもうお金をもらっているといって、どんどん作業をはじめる…。
 それからどんな展開になるのか、興味をそそる導入である。女性の引きこもりの原因は9年前に息子を亡くしたからである。それが自分の愛情不足からだと激しい自己嫌悪におちいり、たまる一方のゴミの山で暮らしていたのである。青年の活躍で家の中がきれいになるにしたがい、女性の心も開かれていく。そして、青年に誘われ、外に出られるようになる。果たして青年は何者なのか? 実は、彼には隠された秘密が…。
 最初から最後まで二人だけしかでない二人だけのドラマである。舞台の不条理劇のようなミステリアスな展開だが、青年と亡くなった子供とが同じ名前だというのは、どういうものだろうか。作者のねらいではあるが、かえって重みをなくしてはいないだろうか。
  青年との交流で女性が抱えこんでいた過去が明らかになり、それによって彼女が救われるというのは、構造的には魅力がある。だが、ドラマの中心の部分は過去の話である。映像で描くドラマとしては、見せるべき現在が必要である。それはなんだろう?再生のドラマだと作者はいうが、「ブラックホールの穴」の向こうに何があるのだろうか?





2 野竹作品「幸せの1ピース」
         


 会社を辞めたばかり30歳の女性が、高校時代の友人4人のホームパーティに誘われる。彼女は独身だが、他の3人は、それぞれ主婦やOLや会社社長である。4人は若いのに、早くも勝ち組・負け組と自分を他人と比較しあっている。主人公は、その社長に頼まれて、豪華マンションに留守番代わりに住むようになる。そこで、友人の愛人の青年を知る。まだ大学生である。友人は青年を金で縛っている。青年にはほかに好きな女がいる。その女は美人でも金持ちでもない平凡な女に見える。彼女は、二人の関係に、本当の愛情を見た。このわずかな体験から、主人公は背伸びしないで生きていこうと思う。
 作者らしい匂いがある、と好感をもって迎えられたが、やや新鮮味にかけるのではないか。ええッとなるようなところがない。友人のマンション自体に秘密があるとか、主人公にまつわる事件がおこるとか、主人公がそうせざるを得なくなるものがほしい。
 「ローズマリーの赤ちゃん」という映画がある。新婚夫婦が引っ越してきたマンションには様々な人が住んでいる。その住人たちには、共通の秘密がある。それは絶対に知られてはならない秘密が…、というものである。怖い映画で、オカルトではあったが、しかしとても魅力的だった。
 普通の人たちの普通の展開ではドラマが生まれにくい。無理するべきではないが、描くべきものはなにか焦点をはっきりさせると、スタイルも決まってくるものだ。ちょっと工夫してみよう。 





見学のIさんはなかなか活発で、自分の意見をしっかり言う人だった。同年輩の女性が多いせいか、ゼミの雰囲気にもすぐとけこんだようだ。このまま正式入会になることを期待しよう。
見学者が2回続けて女性だったが、やはりこの世界の女性優位は動かないのだろうか。
次回は、忠太郎師も参加できそうだという。



次回は、2003年7月5日(土)

東京芸術劇場5F/NO4会議室
時間は、13:30〜17:00


今後の予定は、7月19日
8月2日、16日


しっかり予定表に書いておきましょう。


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