〇自由課題(ストーリー)
1 城ノ口作品「0.04mm」
ずっと前に提出されていた作品だが、やっと作者の都合がついてゼミとなる。
コンドーム会社に勤める主人と中学生の息子。こういう話題を明るくできるようになったのは、隔世の感がある。忠太郎師が驚くのも無理はない。どの程度、親の職業が学校で知られているのか。材料が特異であるだけに、「リアリズム」はどうなのか。
実はコンドームは脇役で、少年少女の淡い恋の話が本流なのだが、それはまだ描ききれていない。きれいにまとめようとしているのがいやだ、という意見があった。少年が、自分の家に呼んだ少女と何も起こらずにすむというのは納得いかないということなのだが、男の心理としてはよく分かる。、
中学生という少年期にはもっともっと生々しい息遣いがあるのではないか。少女にも、それはあるはず。コメディにせずに正面きって描いてみるべきかもしれない。
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2 楢崎作品「家族の食卓」第2稿
前回とは大幅に内容が変わっている。10歳の少年から見た話になった。 <おじさん>という人間をどう思うかで、相当見方が変わる。
突然、長年音信不通だった<おじさん>が来て、一家に騒動がおこる。だが、去ったあとでも、何かが変わった訳ではない。ただ、少年には目に見えない何かが残る。どういうわけか、ゼミのみんなに支持されなかったようだ。前回もそうだったが、<おじさん>をどう造形するかで、ドラマの味がすごく変わる。
おおかたの人間は、すぐに「寅さん」的人物を思って避けたくなる。だが、「ぼくの伯父さん」という映画を引き合いにだすまでもなく、<おじさん>の登場するドラマは味のある世界になるはずなのだ。どうやら、あの<寅さん>があったのは、後発の人間には不幸なのかもしれない。
ドラマの作り方にもいろいろ異論があった。作者が最初に抱いた社会的な関心が後ろに引いた分だけ主題が分かりにくくなったのかもしれないが、もっと具体的な話があると解消されることではないか。少々拙速だったかもしれない。少年とおじさんの関係をもっと深めたい。
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アフターゼミは、いつもの2Fの喫茶店が貸し切りだったので、5Fに変更。初めてのお店だが、雰囲気は悪くない。コーヒーは高いがビールのお値段は同じ。ただし、生ではなく瓶ビールだ。
ここには3つの喫茶店がある。2Fのもう一つも覗いてみよう。今日から神山さんが休学になった。10月まで社命で英語の勉強をするのだという。運悪く土曜日が講習日で重なってしまったのだ。残念だが、社命とあらば仕方がない。10月に復帰したら英語でシナリオを書いてもらおう。
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