〇自由課題(ストーリー)
1 紺野作品「ケツバット」第2稿
野球嫌いのホームレスの青年の話である。あらすじは前回(11/2)を参照してもらおう。もちろん、前回より細かく運ぶようになっているが、果たしてそれは成功しているだろうか。
元高校球児と元マネジャーの風俗嬢とその息子の三人以外に、新しい人物が二人登場する。その一人、栗田という男の存在が大きい。栗田はかつては博徒だったという。だが、博徒というのは作り過ぎではないかという意見が強かった。風俗嬢に男がいるのは自然で、男に息子がなついていないというのも特別のことではない。それだけに、本命の元高校球児の登場の準備としては、少々決まり過ぎの感がある。栗田を触媒として三人のドラマが深まるのならいいが、彩りを派手にするだけに終わったらつまらない。それぞれの心情をもっと深めてほしい。
これは、ストーリー段階で論議をつめるといろいろ迷いが生じそうだ。いっそシナリオにしてしまったほうがいいかもしれない。期待しよう。
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2 楢崎作品「28年目の交換日記」
明治ものの大作に取り組んでいると思ったのに、なんと新しいストーリーが生まれたらしい。このすばらしいエネルギーはどこから生まれてくるのか。
主人公のOLも、今は45才。その中学時代の友人たちとの再会の物語であ
る。登場人物が多いのに滑らかにストーリーが書けるようになった、と忠太郎師からお褒めのお言葉。確かにこのところ、文体は軽やかでいい。
45才という人生何度目かの転機をとらえて描こうというねらいはいい。だが、ちょっと人間が多すぎるようだ。役割が重複する人間は減らした方がいいかも。交換日記というのがいい。それぞれの人物の背景がかかわってくるので説得力がある。
人間関係はおもしろいのだが、彼らをつらぬく大きな事件がほしい。せっかくの「交換日記」なのだから、それがらみの何かが…。教師が登場してもいいかも。担任教師をめぐるドラマがひとつあってもいい。あるいは、中学校がどうかなってしまうとか(火事?)。28年ぶりに心を通わせた同級生の遺児を引き取るというラストシーンは、ちょっと甘いがようだ。だが、最後がいいという意見も強かった。
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〇自由課題(ショート・シナリオ)
1 こはま作品「メール」
久々の登場。コピーライターを目指している男と看護婦の恋人。二人は5年越しの仲。なのに、夢を果たさず田舎に帰ろうという男。恋人はそれが許せない。おもいきりぶん殴る。男は鼻血を流してもなお、「こんなに強く…、思ってる?」と思う。女も、そういう男を許しているのであった。
しゃれた小話を狙ったのだろうが、こういう小手先のものでなく、しっかり考えた話が読みたかった。作者はもう新人ではないのだから。次の機会に期待しよう。
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〇自由課題(長編シナリオ)
1 高野作品「マシンガン」
初めての長編シナリオである。個別指導で行くべきかと思ったが、当の本人からゼミでやってほしいという希望がだされたので、次回に取り上げることにする。
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アフターゼミの「ロジエ」は、今日が最後。マスターにお別れの挨拶をする。3年半の間、「ロジエ」のおかげでアフターゼミが楽しかったのは、お店の雰囲気だ。その中心にあった笑顔の店員ケイコさんは7月に退職して結婚したそうで、この日は新婚カップルで挨拶にきたそうだ。わがゼミでもカップルが誕生したし、まことに思い出の多い<恵比寿>であった。
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