2002年8月17日(土)

本日のテーマ
・自由課題  ストーリー 3
シナリオ  0
出席者: 女  6   男  1  

   暑さはいつおさまるのか。お盆が終って来週からは世間はまた活動を始めるが、わがゼミは一足お先に活発に活動をしている。
 毎週新しい作品が提出されるのがとても嬉しい。そのどれもが、なかなか新鮮な題材に取り組んでいて、改めてみんなのパワーに感動させられる。
 みんな、着実に前進しているのだ。

○自由課題(ストーリー)


1 神山作品「午後のX−X’」



 結婚して10年。小学生の子供がいる夫婦。平穏な毎日だったが、夫のポケットにロードショーの半券を見つけたことから、夫婦の間にさざ波がたつ。さざ波ですめばよかったのだが、夫はさざ波以上の行動に及んでいるのではないかと妻は疑心暗鬼に陥る。そして、心を病んだ妻は、万引きをし、愛人に無言電話をするようになる。愛人と夫は、高校の同級生。昔、二人はお互いに気があったのだが、踏み込めなかった。20年ぶりに再会し、今度は踏み込み過ぎてしまったのだった。夫は過労で倒れる。見舞うことの出来るのは妻の私だけ。意識のない夫のそばで、妻は愛人に勝ったと充足感を覚えるのだった。
 主人公の女の屈折の仕方は、なかなか魅力的だ。現実に、妻が保険金欲しさに夫を殺す事件が頻発していて、ドラマ以上に恐ろしい現実がある。現実に勝るには何が必要かとなると、それはドラマを彩る人間たちのキャラクターでしかない。どういう魅力的な人間(この場合は悪人)を作り出せるかであろう。作者の日ごろのうっぷんを容赦なく吐き出して造形してほしい。





2 小沼作品「夢とクソガキ」



 レンタルビデオ屋でダラダラと働いているバイト少年。AVビデオを借りに来る不幸の象徴のような女。公園で体を鍛え報われない努力をしている男。「暑い暑い夏の午後。熱気が充満しているラーメン屋…」この設定がいかにも暑苦しく、うっとうしくて、いつものように作者の気分がびしびしと伝わってくる。なぜか<食い逃げ中毒>になってしまう少年。
  必死になっても、一向にものにならない男たちがいいと、女性陣。この作者は一体何に怒っているのか。いつも暴力的で虚無的で、それがとても刺激的だ。ストーリーの書き方(物語の作り方)はとてもいい。だがシナリオにまとめようとすると、その毒が薄まっていく。毒を維持しつつ長編を書きあげるには相当なパワーが必要だが、この作者にはそれができるはず。大いに期待したい。





3 高野作品「歴史の糸」



 おじいちゃんっ子だった18歳の少女が、母と叔父から、祖父の時代の話を聴く。祖父の時代、それは戦争の時代だった。寺の住職のため兵隊にはならなかった祖父が見たものは…。母の時代。急速な発展の時代の歪み。そして、少女の時代。大人たちに反発し、自分の殻にとじこもってしまう少女。これから少女はどう生きるか。
   自分探しのドラマを、<歴史>という視点でとらえようという。そのスケールの大きさがいい。この作者の場合は、ストーリーを書くというよりは、登場人物の会話でキャラクターを作りながらイメージを固めていくというやり方がいいだろうということになった。
 前作のショートストーリ「かけら」のように、繊細だが根太さのあるシーンの展開が期待される。





お盆連休の最後とあって、いつもの「ロジエ」はお休み。そこで、直ちにガーデンプレイスの「銀座ライオン」に向う。暑さを吹き飛ばすには、こういう場がいちばんいい。夏ももう後半。体調を崩さないようにして乗り切ろう。

次回は9月21日(土)
9月と10月は、都合により、第3週だけになります。
ご注意ください。

時間は、14:00〜17:00です
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上記作品のディスカッションはこちらで!!
ゼミで話し足りなかったことや後から思いついたこと
また、改めて作者に聞きたいことなどがありましたら
どんどん書き込んでください!
今までにみんなの書いたシナリオのリストを整理してありますので、
それもご覧ください。
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