▽▲7月6日分▲▽ |
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本日のテーマ |
・自由課題 |
ストーリー2 |
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出席者:女 5名、男 2名、見学(男)1名 |
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アシモフ師が所用があり、忠太郎の担当となった。はや7月、今年もめぐりきた「トライの季節」ですねえ。そのせいか長編がめじろおしで、Jさん「ジューシー」、K 君「ポンコツ」、Nさん「誘拐」、Uさん「海をわたる」、Kさん「帰宅しない」と出て、これからも続くだろうからこっちも気合を入れるぞー。題名みんなちぢめたけど、日本語ってヘンでこれでもチャンとした題名になってるねえ。
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○自由課題
1 よこはまこはま(このネーミングは音の響きがよくて、自我自賛だがいちど使ってみたかった)作品
「穏やかな川」2稿(ストーリー)
一気はイッキ飲みが嫌いだ。なぜなら数年前に兄がイッキ飲みで死んだからだ。(ここで忠太郎、主人公の名前まで一気はやりすぎだよ)そんな兄思いの弟が墓参りでひとりの美しい女に会う。彼女は小さい男の子を連れていた。話をきくと、なんと女は亡き兄の恋人で少年は忘れ形身だった。もちろんここから始まるのは、ふたりのつねに死者(兄)を意識した恋物語だ、とみなさん思うだろうが、そうではない。
一気19歳、あずさ29歳、男は女に同情し、女も男を憎からず思い、そうなるとすぐにでもそうなってしまうと思うのは短絡的思考で、作者はキスぐらいかなあと言う。もちろん愛のありようはさまざまで、相手にふれない愛があってもいいけど、この場合は説得力があるかなあ。すぐにそうなってしまう今時の風潮はなげかわしいが、と言ってこらえにこらえた末に、アニキごめん、あなたゴメンとヒシと抱き合う展開もあるわけで、不倫ばやりの世の中に投じた一服の清涼剤ではあった。
でも、ここまでくると、はじめのイッキ飲みはどう関係があるのと皆さん思うはずで、イッキ飲みは全く必要ありません。良くも悪くも、純情さわやか路線の得意な作者の「愛の寓話」であった。
「時代劇にしたら」という事務長の意見、「あずさの視点から話をくみなおしたら」と言う見学Kくんの指摘が面白かった。
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2 中野N作品「レット・ミー・トライ・アゲイン」4稿(ストーリー)
ねばり強い、あきらめない、うたれ強いはNさんの美質だ。こだわりにこだわり、今度もストーリーの第4稿だ。
日米2世の青年が東京にやってくる。彼はジャーナリストで、ある精神科の女医を取材する目的があった。彼は対人恐怖性で、その治療に卓越した技術をもつ女医に興味をもったのだ。そしてもうひとつ、幼いころ彼を捨てて日本に帰った母に強い思慕の情を抱いている。
こう紹介すると、当然その女医が青年の母親であるとは想像がつくのです。大病院を経営する母親はやりてで、ひとすじなわではいかない女。さあ、晴れて二人の対面なるか、かの名作「瞼の母」のように、母と知りつつお母さんと言えずに去る息子、はたまた息子と知りつつ母と名乗れぬ世のしがらみ、どっちだどっちだとハラハラする話かというと、これが違った。
作者の混乱はきわまれりで、以後の展開は、女医に復讐しようとするナース、女医に恋焦がれる資産家の息子、さらにインターネツトオタクふうな青年の異父妹まで出てきて、ヤヤこれはギリシャ悲劇風な壮大なドラマかと思わせたり、大病院のお家騒動かと思わせたり、これまたそうとは知らない異父兄妹の禁じられた愛の話かと思わせたり、欲深か贅沢きわまりないのです。
どれかひとつにしてよという悲鳴もでるわけで、「だったらわたし、対人恐怖症(妹が醜貌恐怖症でもある)をとります」と作者は決然といってくれて、ヤレヤレだった。
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さて、両作品からの教訓──「二兎を追ってはいけません」。
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アフターゼミは、めずらしくロジェが満員でルノアールへ。忠太郎は疲労困憊で中座したが、あとでO・Tカップルが駆けつけたもよう。みんなで「いっき」になったのかな。
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