○自由課題(ショートシナリオ)
1 小沼作品「楽しかった後の事」
前回に続いての連続登板。しかもなかなか刺激的な作品で、おおむね好感をもって迎えられた。
20代半ばのOL。男のプロポーズを受け入れたとたんに、男は交通事故で死んでしまう。指輪を貰ってけだるい日常から抜け出せると思ったのだが、あてがはずれて、ものすごい喪失感に襲われる。発作的に風俗店に勤めようかとも思うが、踏み切れない。だが、そこで出会った風俗嬢となぜか通い合うものがあって、一人で生き直そうと思う。
小沼作品にしては、意外に抒情的なところがある。虚無的なところはあっても退嬰的ではないのがいいと、ちょっとむつかしいほめ言葉もあった。
男が自分の意思で死んだのだとしたらどうか。そうなると、ショートシナリオではすまなくなるだろう。「何で死んだのか」をキイワードにして長編シナリオにするのがいいのではないか。
|
〇自由課題(ストーリー)
1 小沼作品「乾いた春」
二つ目も小沼作品。以前に提出されたものだったが、作品ラッシュで後回しになっていたもの。
ウエットになるなといわれて、Kさんを意識して乾いたのを書きたかったという。後に残らない意味のないもの。これもまた難しいねらいだ。
彼女に振られたフリーターは欲求不満のかたまりだ。あっちでもこっちでもぶつかってボコボコにされる。無銭飲食の男と意気投合するが、裏切られる。自殺しようとするが死ぬことも出来ない。彼は意味なく生き続けるしか手はないのだった。
不条理マンガのような面白さがあると評されていた。作者の気分は十分に出ているのだが、これだけではドラマにはなりにくい。
そろそろ、コラージュではなく、筋の通った物語を書くようにした方がいいだろう。
|
小沼シリーズのあとは、恒例の「ロジエ」でのアフターゼミ。
Tさんから未完のストーリー「傷跡」についての意見を求められたので、その進め方について両師がそれぞれアドバイス。
ここからUさんが二人の子連れで参加。Wゼミの先輩でカナダ帰りのK夫妻の女の子と一緒になり、賑やかであった。
Uさんからも「絵の具の匂い」の改定稿が出たが、次回までに時間があくので、両講師が個別に対応することとした。
その後、Wゼミのほかの先輩たちも現われて合同の新学期会をやるため、恵比寿ガーデンに向う。宴も和やかに進行し終わりに近づいたときに、驚くべき事件が発生した。おかげで、今日のゼミの余韻は完全に吹っ飛んだ。
その詳細については、「喫茶アシモフ」に詳しいので、そっちをご覧あれ。
|