2002年4月6日(土)

本日のテーマ
・自由課題 ストーリー 2
・課題「絵」ストーリー 1
出席者:女 5名  男 1名 見学(男) 2(内、リッキーくん1)

   ここんとこ、みんなの出足が遅い。定刻に来たのは、Kくんと見学者くんだけ。
 ゼミを始めるにはそれなりの人数になる必要がある。いろいろと事情があるとは思うが、時間を守ろう。この世界は時間にはとても厳しいのです。締め切りはもちろん、打ち合わせ等も、きちんと定刻に始まります。特に撮影の現場では遅刻は許されません。ぼくが撮影所に入っていちばん驚いたことがそれでした。
 さあ、みんな、気を引き締めて!

○自由課題(ストーリー) 


1 小沼作品「バカな町とストレンジャー」



 婚約がパーになったOLが旅に出て、とある海辺の町で降りて、崖から飛びこむ。が、若い兄弟に助けられてしまう。
 そこは何もない退屈な町。住人も変なやつばかり。その人間関係に巻き込まれて追っかけあっているうちに、過去がふっ切れ、「少しいい女になって東京に戻って行く」。
 発想はいい。出てくる者も作者の鬱屈した思いを体現している人物ばかりで、興味を引かれる。無職の青年、不登校の少年、スナックのママ、警察官、喫茶店のウェイトレス、脳に障害のある女、食い逃げする小学生等々、登場人物は多彩である。どこか寺山修司の世界を彷彿とさせるところもあるが、未整理という感じの方が強い。
 人物の比重・濃淡でドラマが決まる、という忠太郎師の言葉を胸に、もう少し考えてみよう。





2 野竹作品「始末屋」


 「いわゆる専業主婦」が、閉塞感からの脱出を図ろうとアルバイトを始める。それが、「始末屋」。
 依頼者の要求に応えて何でも始末する。そのことに今までにない快感を覚えるようになる。しだいに彼女の快感はエスカレートして行き、遂には最高・最大の「始末」を…。
 「始末屋」の社長が最初に「人の始末」を口にしてしまうのはどうか。主婦の欲求がしだいにエスカレートしていくというのが、オーソドックスな展開ではないか。女がどこまで非情になれるかというのがテーマだとすると、心理劇だから、じっくりと落ち着いて進めるのがよいと思う。
 リアリズムではなく喜劇タッチでやるべきか、という意見もあったが、現実の世界で殺し屋を雇っての夫殺し事件が頻発している以上、十分にシリアスで行けると思う。(ただし、好き嫌いは別)






〇課題「絵」(ストーリー)


1 黒田作品「ある理想郷」(仮題)



 久々の長編。以前に出した課題「絵」に応えた作品である。
 ある画廊の主が今は亡き天才画家の絵を未亡人から預かる。それはブリューゲルのような絵だったが…。
 これだけでは何の変哲もないのだが、そこはそれ短編の名手。ちゃんと仕掛けが施されている。
 画家と未亡人は、74才も年が離れている。それはいかに未亡人が若く、魅力的・蠱惑的かを思わせる。画廊主と画家は長い付き合いなので、未亡人が画家のもとに来たときから良く知っている。というより、そのときから密かに愛していた。だから、画家に頼まれていた夫人の肖像画を売らずに、隠し持っている。そこに預かったブリューゲル風の絵を並べて置いておくと…。
 この絵にどんな秘密があったのかは大切なことなので、ここでは伏せておこう。だが、とても想像力をかきたられる。エピソード、人物、構成を膨らませて、ちょっと怖いけど楽しい、というような世界を創り上げたい。
 これは、外野作品「絵の具の匂い」に触発されてできたものだという。こういうように、お互いが響き合って新しい作品が生れてくるというのはうれしい。




 アフターゼミは、恒例の「ロジエ」。久しぶりのTさんと見学のSくんも交えて、話が弾む。
 また、Kくんからは、前にゼミでやった「ポンコツな時間」のシナリオ第1稿の提出があった。5月末の日本テレビのコンクールを目指す意気込みである。これは、ゼミではなく個別的にやることにした。しかしこうやってゼミでの検討作品がシナリオ化されていくのは、これまたうれしいかぎりだ。

次回のゼミは  4月20日(土)  です
基礎コース 12:00〜14:00
  上級コース 14:00〜17:00 
5月はGWの影響で変則になり、第2、第4土曜です。
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ゼミで話し足りなかったことや後から思いついたこと
また、改めて作者に聞きたいことなどがありましたら
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今までにみんなの書いたシナリオのリストを整理してありますので、
それもご覧ください。
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