2002年1月12&26日(土)
今回はスペシャル版。2週分まとめてお送りいたします。

▽▲12日分▲▽
本日のテーマ
・自由課題 ストーリー2       
出席者:女 4名  男 3名 先輩・男 1名 見学(男)1名

 2002年の初顔合わせ。
おだやかな暖冬の新年だったが、今年は暗い世相が良くなるのだろうか。
わがゼミとしては、去年は各種コンクールで優秀な成績をおさめた人が続出し、また長編シナリオを書き上げる人も多く、ちょっとした長編シナリオ・ラッシュだった。みんなの実力が着実についている証拠だと思う。
今年は創立4年目の午年。もっともっと飛躍し、天高くいななこう。
  


○自由課題 

1 外野作品「絵の具の色」(ストーリー)



 美術館の学芸員の青年が、イギリスの画家の企画展を手伝うことになる。英人画家の恋人が日本にいたと知る。しかもそれは男であるという。その恋人の元には英人画家の絵があったが、特別のサインがしてある。なぜ?その秘密を探るうち、青年は自分も画家としてやっていこうというエネルギーを得る。
 かなり複雑な話なので、「作者の狙いを一言で」という問いに「表現者と研究者のはざまで揺れる青年の葛藤」と、作者は答えた。だが、その答えは、書かれたストーリーとはかなり違和感があった。青年の心情よりは、英人画家と日本人恋人との関係に興味が集中するので、むしろ「二人の隠された物語」を描くという事を中心にした方がいいのではないか。
 作者と読者(観客)との間にギャップがあるという珍しいケースだった。これについては、これからも考えて見たい。





2 山室作品「ワケアリ(仮)」


 三つ違いの兄を自分の誕生日に失った妹。兄には恋人がいた。妹は兄を取られたと嫉妬していたが、兄の死後、二人は愛するものを失った者として、親友になる。妹は高校を卒業すると上京し、バレリーナを目指す。兄の恋人が妹の元に転がり込んで来て、女二人の生活が始まる。やがて妹はチャンスをつかむ。二人は別れることになり、明日が引っ越しという夜、二人だけのパーティをする。そして、兄の恋人から、兄の死の真相が語られる…。
 いかにも山室ワールドらしい<危うさ>のある物語だが、ちょっとエピソードが足りない。女二人の濃密な関係はとても蠱惑的だが、まだその内部が見えない。話の流れがハッピーエンドに向かって一直線というのが納得いかないという鋭い意見があった。二人の女が強すぎるというのだ。女同士の関係をえぐってほしいという意見も。
 ハッピーエンドの物語は初めて、という作者の告白が面白かった。まだワンヒントで書かれていて練られていないようなので、再考することになった。



 今日は、忠太郎師が仕事で出られなかったのでアシモフの一人講師。大相撲の一人横綱のように責任の重さが痛感される3時間だった。
 終わっての「ロジエ」には、仕事を終えた忠太郎師がはるばる石垣島から駆けつけてくれたので、ホッとした。そこで、有志で新年会。例の恵比須ガーデンプレイスに行ったが、いつものお店はリニューアルで当分閉鎖。その代わりにと貰ったサービス券を使うべく新たな店に行く。新年とあって混んでいたので少々待たされたが、最後にはサービス券の威力が発揮されてとても安くすんで、まずは目出度い新年会であった。
 憤怒と怒涛の冷蔵庫さんが、あしたはマラソン大会だといって早く帰ったせいかカラオケ大会はなかった。彼女は仕事の関係でしばらくお休みになるという。その代わり今日見学に来たKくんが入会してくれることになった。この分だとだんだん男性陣が優勢になりそうだ。新米ママのJさんNさんの復帰が期待される。


▽▲26日分▲▽
本日のテーマ
・自由課題 ショートシナリオ1 ストーリー2       
出席者:女 3名  男 3名  見学(男)1名
 今日は夜から雪になるという予報。心配したが大したことにはならないようだ。今回も忠太郎師が仕事でお休みだったが、新入会のKくん、見学のSくんと、新しい感性が入ってきた。これからが楽しみだ。

○自由課題 


1 小沼作品「静かな公園」(ショートシナリオ)

 
 新入会で早速の作品提出。なぜか夜の公園に弁当を食べに来る青年とホームレスの男と少女の三人のドラマ。三人の間には特別に突出したドラマがある訳ではなく、静かな交流の時が流れる。奇妙な味のあるドラマである。
 前回、以前に書いた「バカな雨」という作品を忠太郎師が褒めて紹介していたので、それを参考作品としてあとで配ったが、それも奇妙な味のあるものであった。ただ、今回は、ちょっと狙い過ぎで散漫になったような気がする。しかし、<ふらふらしている>という少女の感覚のとらえかたにとても感心した。とてもいいセリフだ。若い表現があるという先輩女史の感想にみんなが頷いた。



2 鈴木作品「ブキヨウモノ」(ストーリー)

 16才の高校生が、社会的意識にめざめ、感銘を受けた本の著者に会いたいため、両親や学校の反対を押し切って、ピースボートに乗って行くという物語。10年ほど前の湾岸戦争の頃の話だという。
 だが、少年が憧れる著者が現存の人物なのが気になった。実在の人物の場合、モデルにするのはいいが、実名をだすのはどうか。歴史上の人物ならいいのだが、まだ生きている人だと、別の評価がはいってきてしまって、素直に読んでもらえない。少年のリアリティにも納得いかないものがあったが、話あっているうちに作者の息子の話だと分かった。実体験だという。いつまでも子供だと思っていた息子が思わぬ成長をしていたのに驚いたのだという。それなら、父と息子の話に絞った方がよかったのではないか。その関係を父の側から描く、ということ。まずは、作者の思いがストレートにでる関係を描くことから始めたい。





3 高野作品「保育園脱走計画」(ストーリー)

 とても題名が魅力的で興味が引かれる。きれいな物語だという評価がいいあてていると思う。小さい子に「自分が一人の自分(人間)として生きて行くことの大切さを伝えたい」という作者の意図はとてもよく分かる。保育園の先生が園児をひっぱたいてしまったことから物語がはじまるのだが、なぜぶったかということから先生の方にドラマがいってしまって、園児たちの話に中々ならないのが惜しい。作者の思いがたくさんありすぎて、絞られていないからだろう。
 先生には愛する人を亡くした思い出があり、それに先輩の先生との関係があり、それはそれでとても興味深いのだが…。園児と先生と母親のどちらも悪者にしたくないというのもいい。だが、せっかくの題名になっている<脱走計画>を具体的に考えることから、もう一度練り直したい。




 語りあうことが多かったのか、30分ほど長引いてしまった。雪を心配したが、まだ雨も降っていないので、恒例の「ロジエ」へ。そこには、いろは女史となんちゃって先輩が待ち受けていて、話が弾んだ。見学のSくんは小劇団にいたとかで、なかなか人なつっこくて話し好きで大いに和む。


次回のゼミは  2月2日(土)  です
基礎コース 12:00〜14:00
上級コース 14:00〜17:00

2月からは、通常の第1、第3土曜になるので、
2週続いてしまうことになるけど、やむをえない。
  勢いを持続していきましょう。

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