2001年12月15日(土)

本日のテーマ
・自由課題 ストーリー1  ショートシナリオ1      
出席者:女 5名  男 3名 先輩・男 1 

 2001年の最終回のゼミ。
クリスマスがもうすぐなのに、町ではジングルベルをあまり聞かない。ひょっとしたら、例のテロ事件以来の自粛ムードのせいか。それとも、不況のせいなのか。何となく世の中が沈んでいる気がする。だけどわがゼミは、みんながたくさんシナリオを仕上げ、勢いがあり実りの多かった一年だったと思う。あとに控えた忘年会が楽しみだ。
  


○自由課題 

1 楢崎作品「レット・ミー・トライ・アゲイン」(ストーリー)



 アメリカから帰ってきた青年が、その足でとある女性を訪ねる。だが目指す女性は息も絶え絶えに倒れていた。青年は慌てて救急車で病院に運ぶ。女性は、三日三晩、何も食べていなかったのだという…。


 楢崎作品の特徴は、冒頭がとてもドラマチックなことである。この先どうなるのかと期待させてくれる。青年はアメリカ人の養父母に育てられアメリカの大学を出たのだが、母が亡くなり養父は日本人の女と再婚する。青年が日本に来て訪ねた女性は、養父が再婚した女(継母)の娘だった。女性は失恋して<醜貌恐怖症>にかかっている。実は青年も、自分が何者なのか<アイデンティテイ>に悩んでいる。そこにカウンセリング・センターを通じて<引きこもり>の男と知り合う…。
 作者の考えていることが沢山ありすぎるのか、人間関係が複雑で分かりにくい。描きたいドラマに必要な人間は誰なのか、整理する必要があろう。中心は「一人の女と二人の青年」ということになるのだろうが、それをどういう舞台で描くのかを考えて見るといい。ただ市井の普通人の世界ではなく、例えば、大病院とか大実業家とか大商店とかの<枠>を考えると、人物が動き出すのではないか。N講師はいっそのこと「瞼の母」にしたらという秀逸なアドバイス。でも、今や長谷川伸という作家をどれくらいの人が知っているか…。Yさんのいうように「人間の証明」といえば分かりやすいかも。
 


○課題ショートシナリオ

1 野原作品「システム手帳」


 初提出の作品に期待が集まる。
 ちょっと中だるみのOLが、帰り道バイクに乗った引ったくりにあい、全財産を盗られてしまう。特にシステム手帳には愛着があった。だが、彼女は根っからの愛嬌で、同僚にねだって盗られたのよりずっと立派なシステム手帳を買ってもらう。ついでに、彼の愛まで手に入れてしまった。駅前では大きなクリスマスツリーが、二人を祝福するように輝いている…。


 上手に運ばれているが、課題と内容がうまく結び付いていないのが惜しい。ストーリーを進めることに気を取られていて独りよがりになっていて、課題がどっかにいってしまったようだ。省略や飛躍はあっていいのだが、それが自分だけのものであってはならない。せっかく設定した状況や人物を生かすようにしたい。もっともっと、たくさん書いていこう。


 なお、長編シナリオが3本提出されたが、時間の都合で次回まわしとなった。題名だけ紹介しておこう。「サイレント・マジョリティ」、「桃色の雲」、「タクシー・トリップ」。
 とにかく、みんなの勢いは素晴らしい。



 終わって、忘年会の会場「恵比寿エキスプレス」に直行。最年少のTさん、久しぶりのYさん、それに仕事帰りのTuさんと事務長のE旦那も駆けつけて、総勢16名の盛会となった。2次会のカラオケには先輩のHさんも参加。そっくりと噂の高かったUさんとついにご対面。大いに盛り上がって、2001年は有終の美を飾った。踊る冷蔵庫幹事の尽力に感謝。

次回のゼミは  1月12日(土)  です
基礎コース 12:00〜14:00
上級コース 14:00〜17:00

なお、来年1月は、第1土曜(1/5)が正月休みのため、
変則的に、1/12、1/26(第2、第4土曜)となります。
2月からは、元に戻ります。
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