○自由課題
外野作品「トライアングル」
カメラマン志望の29才のパラサイトシングルの女性。幼稚園の卒園写真を撮った中に、表情の気になる男の子がいて…。その母親と少年の間には何があったのか。そこにピエロ志望の青年がからんで…。
いつもテーマの取り方がうまい。創作意欲のある話だ。だが、一杯詰め込み過ぎていて、ぜいたくでもある。主人公が幼すぎないか。母親も年齢を上げて主人公と同じ年齢にしてはどうか。ピエロの青年の造形をもっと。1時間以上にわたって議論百出。おおむね男性軍より女性軍の方に厳しい意見があったようなのは、なぜだろう。
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○課題「公衆電話」
阿部作品「ついてる男」
ハードボイルドタッチのショートシナリオ。主に「公衆電話」の課題を生かして他の課題も取り込んでいる。なぜか銃撃戦の最中に公衆電話から女に電話する男。女は声だけしか登場しない。その女は…。
映像よりは舞台か。ライブ感覚がいい。ラストにとんでもないものがあると、なおいいのだが…。いつもながらの阿部作品の歯切れの良さがいい。楽しい議論が交わされた。
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○課題「レモンティ」
辻口作品「ハニーレモンティ」
<「レモン」がつなぐ(巡る)思いの輪>とでもいうのだろうか。しゃれた味は好感がもてるが、何を描くためのシナリオなのだろうと、ちょっと疑問。ショートシナリオを書くことで何を学のか、というちょっと意地の悪い問いかけをしてみたが、これはせっかくの見学者への親切のためでもあったのだが、「短い中にも人間関係をどう表現するかが大事」という作者の答えはさすがであった。全体に曖昧なせりふで運んでいるせいか、ドラマ自体に曖昧なところがある。「説明ぜりふであっても入れなければならない場合がある」という南部師の講評はしっかり心にとめておくべきだろう。
なお、楢崎シナリオ「18年後の私(?)」の第1稿が出来てきたが、これはゆっくりみんなで読み合うことに。また自由課題で、こはま作品が出たが、次回にやることになった。
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終わって、きょうは喫茶店ではなく、恵比寿ガーデンプレイスにあるなじみのお店に。円卓テーブルを囲んでアジアン料理をつつきながらの談論風発は、ゼミとはまた違った雰囲気で、楽しい時間であった。
新しい課題は「絵」。
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