【バングラデシュ・レポート】


■その4−1 
 
 
「汚いか汚くないか?
     部屋では裸足と靴履きが同居して」


   外階段から室内の床はドアー一枚を開けて、フラットにつながっています。最初はわからなかったのですが、来客は、靴を脱がない人がいます。靴のまま入ってきて、そのまま帰っていきます。家人は、靴を脱いで裸足か、靴下で室内を歩いています。裸足と靴履きが同居している住まい方です。だから、ドアの周りは、土だか砂だかが絶えずあります。メイドの女の子が、しょっちゅう掃いています。い草を一握りほど束ねた箒です。最後まで変な気分で過ごしました。だって、牛のうんこだって踏んでくる人もいるでしょうし。実際、私は道でうんこを踏んでしまって、取り巻かれた子どもたちにわーわーはしゃがれてしまったのですから。この違いは、清潔感覚の違いなのか、「木と草の文化」と「石の文化」の違いでしょうか。これは、米海軍横須賀基地内のアパートに住んでいるアメリカ人と同じでした。しかし、アメリカ人でも区別して住んでいる人もいました。
 
 玄関で靴を脱ぐ、脱がないの生活の文化の違いは、実はその社会形成のうえで様々な違いを見せていると、私に気づかせ、感じさせることになっていくのです。裸足で生活している社会と、靴を履いて生活している社会とでは、やはり社会形成の違いをきわだたせていることにもつながって、考えさせていくことになりました。
 このことは、後に触れていくことにします。

                            
Ken