2008/7/24(木):フジロック'08

  フジロック’08。

 ただいまと言ったら行進の始まり。
 さあ、私の足よたんと歩け。
 フジロックをふみしめろ。
 今日も明日も明後日も。

 音の誘いに身をゆだね 

 飽くることなき行進の始まり。ずんたかた。
 

 

 

 

 

夏の始まりはフジロック。あたりまえの顔して苗場に帰る。仕事?出張?モチロン行くとも。ただ、AFTER5に向かう我が家がちょっとのあいだ引っ越してるというだけのこと。
今年も仕事を終えて単身帰宅。テント張りは委任で。で、驚いた。キャンプサイト入り口から徒歩1分の所に建ってる!なんとまあ!こんなラッキーをここで使ってしまうと、この先一年はもうバチが当たりまくりか。ま、それもいいさ、な気分にさせてくれるフジの魔法。

「ただいま!」
あっちこっちでフジロッカーがあいさつしてる。苗場の山々に。ここ、みんなの家なんだね。
ひとりで、カップルで、グループで
手をつないで、肩抱き合って、こぶし突き上げて、
みんなここに帰ってくる。

世界一の盆踊り「苗場音頭」で何周回ったか。
みやじぃ!来年も再来年も太鼓叩いて!アノ世に言っても叩いてもらわないと、なんて、毎年のMC。もう盆踊りも10周年?さすが、みんなもうフリも完璧!

 前夜祭は思いがけぬBRAHMANの出演で、一気に大興奮。今年もPA前の定位置へダッシュ!ジャンプ!そうさ。
おどれやさけべや。おおはしゃぎ。

その上、TAKKYU ISHINOって、うーん、これでもか、な今年の前夜祭。そして明日は5時起床出勤だってのに、こんなに楽しくってど おしよかな、な今年の前夜祭。

今年もお約束。フジめし1食目はパエリアとサングリア。

ジャンプしてあせかいて、うひゃああひゃひゃとわけのわかんないため息つきながらごくんとのどを下りてくサングリアって世界一!つめたああ。いいかおりいい。あまあい。そして間髪入れずにぱくつく、フジのパエリアって最高。

・・・あ、ムール貝が入ってない・・・。うにゃあ。


さて、キャンドルの灯りにまぶたが重くなった。今日はお休みなさい。まだまだフジは始まったばかり。


2008/7/25(金):こちら音の鳴るほうへ

フジロック初日は午前が学校勤務。午後は出張で、なんと新治村にいたのだけれど…ああ、あっちの空の下ではエゴ・ラッピンが、オゾマトリが、大統領が、くるりがぁ…と気にしつつお仕事お仕事…ま、それはそれ。

出張先からいったん下山してミシェルにご飯あげて……昨日から鞄のポケットに大切にしまっておいたリストバンドを右手にきっちりと着けた。とっても静かな我が家のリビングで静かに歓声。いえい! ミシェル、見てごらん、ほら、これ!フジロックに行ってくるよぉ〜!留守番頼んだよぉ。思いっきり迷惑そうなミシェルの顔…。ははは。

さて出発。昨年の毎日苗場出勤のおかげでもうとっくに走り慣れた苗場への道。でも夕べの寝不足がたたって、途中サービスエリアで熟睡〜。。。ようやく会場に着いたのはとっぷりと日も暮れた19:22。場内へのゲートもライトアップされてる。 あちゃあ。
で、私のフジ08本番はここからスタート。

昨日からもうすっかりフジを満喫してるTanyやYasutyoと連絡取り合いながら、まずはテントへ。それからGREENへ。

で・・・いきなり本日のヘッドライナーMY BLOODY VALENTINEですの。

な・な・な・なんだか…なんだか…

 

KI-----------イイイイイイイイ----iiiiiiNNNNNNNNNN--------NNNN--------ンンンンンンン--------!!!!!

 

頭の中というよりか首筋の奥がね、痺れてんの。ノイズ初体験。

ああ、フジに来なきゃあ、こんなの生で聞く事ぜったいないって。魂抜き取られて足どりふらふらpalace of wonderへ。毎年お馴染みの豚骨ラーメンをすすったら、なんかようやく夢現からこの世に帰ってきたカンジ。あ、地面に足がのっかてた。やれやれ。そんな気持ちで…。

なかなかテントに帰る気持ちになれなくて、crystal palace tentへ。甘いお酒を飲みながらうとうと…何となくコールタールに似た木の匂いがするフロアでは紅い光の中で元気な子たちがゆらゆら踊ってる。

柱にもたれかかって、夢の世界を漂っていたら、気づけばフロアも私の周辺も熱狂の渦の中に。トラベラッピンが景気よくブラスの音を響かせていた。立ち上がるわたし眠ってる。でもそのまま踊ってた。もう音の鳴るほうへ、勝手にこの足はずぶずぶと踏み込んでしまう。そういう足なんです。こいつ。

ほら。ね。そっち行っちゃうでしょ。小鬼さんたちこちら。音の鳴るほうへ。

 


2008/07/26-27(土-日):目覚めてから眠りにつくまでそして目覚めてそこに音楽がある

こんな夢のような時間。一日中を音楽とお祭り騒ぎと一緒に過ごす。フジに来なかったらきっと一生出会えなかった人生のそばを歩く。
とりあえず土曜日のスタートはお詫びから…。

ごめんなさい。今日は合唱練習を休みます…。ええと、会場内でノドが乾いたときには「水ヲ下サイ」を5回歌ってから飲むことにします…。

はい。実行しましたとも。ま、途中からアルコールも混じってきっと相当いい加減だったと思うけど。

なにしろ一日中音漬けなカンジで。…特に今年はフジでの出会いを期待して、嗅覚を頼りに…ステージを渡ってみた。そして当然のことながら外れなしのフェス故に、どこでももう、楽しくて!いつも音の鳴るところで踊って跳ねて叫んで…雨なんか一滴も降らなくたって 汗だくずぶ濡れ。雨が降ればモチロンヨロコンデずぶ濡れ。そんなのどっちだっておんなじ事さ、な、おきまりの脳天気で歩く。

夕方にはちょっと疲れちゃって車で昼寝したりね…これがまた超キモチよしー…。

 

今年オレンジコートよりさらに最奥に、なにかあるらしいのでてくてく。緑深い尾根を眺めつつ土手沿いに。雲の沸き立つ方に。だんだん音が遠ざかってうなじのあたりにしがみついているキックなリズムとわたしの鼓動と境目がつかなくなった頃、到着。

なんだろここ。また思い切りフジらしい異空間ができちゃってる。マズイなあ。こんなの作っちゃって。ちょっと引力強すぎ。

Cabaret Fiestaって テントが立ってた。

露出度まずまずなテキーラガールがにこやかにテーブルのあいだを縫って歩く。テントの端っこに陣取ったワタシはいつもの携帯チェアに座って視野低く、ぴちぴちのコスチューム のスカート下からテキーラお姉さんのきれいな足を拝む格好。が、狙ってなのかうっかりなのか、ちゃっちゃなパンツから下にはみでたお尻がワタシはどうも気になってしょうがない。あれも良いの?なんだかなあ。もうちょいさ、こう、きゅっと、ね。まあどうでもいいことだが。

 

ショータイムにはマリアッチ楽団の演奏が。日本人になじみの深い曲ばかりを選んでくれた。最後はテキーラ!の大合唱。

おやつはパッションフルーツ。酸っぱあい。あまあい。口元から体中に元気がぴりりっと湧いて広がる。

おまけに何だろこのギネスのくりーみぃなこと!しかもめちゃくちゃピースフルな空とあくびしそうな風と日だまりの中で。いただきまあす。


メインディッシュはステージで。今年もORANGE COURTを贔屓にそっちこっちをうろついて、フジならではのオタノシミをてんこモリに堪能。ああ、踊ったー!この足がね、勝手に跳ねるの。赤い靴のお話を思い出したな。

土曜日は言うまでもがな、なUNDERWORLDで、日曜日はTHE MUSICとベタなチョイスで〆。でも今年のMy Bestは…

  彼です。比喩抜きで、涙。

そして、そして、そして…感動のステージは数えきれず…もう一度会いたい人たちやもう二度と会えないであろう人たちの素敵なアクトに叫んだりため息したり微笑んだり…。

    

 希有な才能のきらめきに圧倒される。Thank you ! Fuji!


2008/07/27(日):雨ガエル

ようやく降った!といったら怒られちゃうかな。雨のないフジロックがすでに物足りないワタシ。これもなんかの病か。

NPOビレッジで1分間の足踏み発電でへろへろになり、一休みをかねてマイ箸作りに トライ。私にとってはもう手馴染んだモノのナイフや紙ヤスリ。まあ、半ば本職ですからね。えへん。
角材をすいすい削って、ヤスリでこしこし仕上げて、最後はレーザーペンでドローイング。ミシェル箸の完成。

夢中になってる頃、天気予報通りに雷雲がぐいぐいと近づいてきた。お!いよいよだあっ!と、いさんでレインウェアに着替えた。これさえあれば、雨なんかへっちゃら。どかっと来い!ってなもんさ!

まもなく盛大な雷鳴も轟いて、気分もノってきた。いえい♪雨だ雨だ♪♪

大好きなBEN FOLDSは雨の中で。もうフジロッカーは慣れたモノで、色とりどりのレインウェアに可愛い長靴で完璧ないでたちのコが多い。でも、ふと気づいた、ワタシの隣にいたアジア系の英語ペラペラ女の子と、イギリス英語な碧眼お嬢さんは 、足許ぺたんこな草履履き&華奢なミュール。カッパも着ないで ア・シードの配ってるゴミ袋をびりびり破いてすっぽりかぶっちゃってる。タンクトップだしめちゃ短いパンツだし、色白なお肌が寒さで一層蒼白くて、心配になっちゃうくらいだったのに……超元気。叫ぶわ踊るわぬかるみですっころぶわで、おもわず助け起こしながら、若いってスゴイのねえと、おばさんな苦笑とため息を漏らしてしまった。でもさ、絶対カゼひいたと思うな、あのあと。くしゃみしまくってたし。
でも、ま、すっごくかわいくて、ノリノリで、途中からは私を含めてそのへんの数人肩組んで歌いまくり踊りまくり。ありがと。楽しませてもらったよぉ。でもね、でもね、いくら若くてもカゼひくときはひくよ。おだいじにぃ。

ELLEGARDENの大興奮を通路から眺めつつしみじみと思うのは、やっぱフジの雨は素敵だなあってことで。モッシュピットに注ぐ雨は瞬時に気化して歓声の陽炎に狼煙に照り映えている。 ここにしかない舞台効果。舞台監督は大自然。

サア 今年最後ノ 散歩ニ 行カフ。
雨ガエル ハ ピタコラ アルク。
マズハ ボードウォーク カラ ORANGE ヘ GO。

’08最後のORANGE。

NARUYOSHI KIKUCHI DUB SEXTET
 

もうじき今年のフジもサヨナラの時が近づいてるんだな…と思うと切ないかな。着馴染んだ夏服をクロゼットの奥にたたみこんでしまうときのように。

ところで、菊地成孔。やっぱり夜の薄暮ORANGEはタキシードでしょう。寒さでなくてビリビリな感動に鳥肌が消エル間のないジャズセッション。
これこれ、こんな音が聞きたかったの!心の内にかみしめつつORANGEを後に。さよなら。また来年までね。

AVALONからHEAVENへ。そして’08ラストステージはWHITE。大好きなTHE MUSIC…!
Rob帰ってきてくれてありがとう。そして、もう爪の先まで音楽がぎっしりな夜にもありがとう。

うん。また一年、わたしは私のステージを深呼吸して踊り続けよう。

see you FUJI!