記事タイトル:かわゆい! 


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お名前: りゅう   
はじめまして。川原泉せんせいのゲートボール殺人事件を読んだんですが、主役の子が、二人の人を河原で踏みますよね?あれってどうしてメルヘンなんですか?誰か教えてください。

お名前: 樽井  幸雄    URL
 こんばんは〜、樽井です。
 川原さん、もりあがつていますね。
 海燕さん、「架空の森」思い出しました。ゴジラのぬいぐるみが印象的でした。
 個人的には川原さんの作品群ではやはり『笑う大天使』がいちおしですが、『フ
ロイト1/2』なんかも捨てがたいです。
 今連載中の『ブレーメン2』は、川原さんがなれないトーンを使って一生懸命に
描いてられるんですが、もうひとつまた盛り上がってきてない気がします。
 金庸。文庫でしか読んでないんですが、先が不安になってきました^^

お名前: 海燕    URL
>「雪山飛狐」

僕も読みました。あれは凄まじい終わり方でしたね。新世紀エヴァンゲリオン」の最
終回とか、「ガメラ3」のラストとか、「ジャイアントロボ −地球が静止する日−」
の終わり方とかが中途半端に感じられてしかたないというひとは、人類文明史上最強
の伝奇小説家であるところ金庸のこの小説を読めばいいでしょう。世の中、上には上
がいるということがわかるはずです(笑)。「神[周鳥]侠侶」の終わり方もアレで
したが、まあ、あの小説は続きがありましたからね。

ところで、「倚天屠龍記」で倚天剣と屠龍刀の秘密が明かされるところって、感動し
ませんでした? 僕はしました。それはまあおくとして、ある意味、これほど半端な
オチというものは存在しないでしょうね。別に国枝四郎の「蔦蔓木曾掛橋」とか半村
良の「飛雲城伝説」(まだ最後まで読んでいないけど)みたいに未完だというわけじゃ
ない、一作の小説としてすべての伏線を消化しつくして完璧に終わっているにもかか
わらず、同時に「こ、こんなところで終わるなー!!!」と叫びたくなるような終わ
り方をしている。ほんとうにとんでもなかったですね、あれは。しかも本編は全1巻
なのに外伝は3冊も出ているわ、本編と外伝の設定は矛盾しまくっているわ、滅茶苦
茶です。

いままで金庸作品の凄さをどうあらわしたらいいのかわからなかったんだけれど、こ
のあいだわかりやすい例を思いつきました。日本で生まれた数々の名作小説を切れ味
鋭い名刀とするならば、金庸の小説は「ベルセルク」の「ドラゴンころし」に相当す
る、と(笑)。「ベルセルク」を読んでいないひとにはわからないたとえですいません
が、そういうふうに捉えるとイメージ的にわかりやすい。アイディアや繊細さや美意
識や展開の妙ならば日本にもかれに匹敵する、もしくは上回る作家がいるでしょう。
僕たちの国は世界でも類を見ないほど繊細な美意識をもった国です。でも、なんとい
うか、根本的にあまりにもスケールが違いすぎるんですよね。ちなみに僕の使ってい
るIMEは「金庸辞書」がインサートしてあるため、「せつざん」で「雪山飛狐」と
出ます。

金庸はほんとうにほんとうに凄いので、史仙さんもぜひ読みましょう。まずは「碧血
剣」あたりから。「金蛇郎君」夏雪宜かっこよすぎ。

>改行なしで長文を書くのは、何か訳があるのですか。

なんのわけもありません。普通に書いているとこうなってしまうのです。いつも最初
は簡潔明瞭な文章をめざしているのですが、書いているうちに「あ、あれについても
触れておかなくちゃ」「あのことも話しておかないと」と思えてきて長くなる次第で
す。けっして読む人間に対するいやがらせというわけではありません。

お名前: 史仙   
先ほど、わが「日記」を更新する直前、福岡市は凄い落雷がありました!
天、俄にかき曇り・・・とはあのようなことをいうのでしょうね。
近くにもずいぶんと落雷あり。
パソコンの電源をあわてて落としました。

>海燕さん

 「グイン・サーガファンへの100の質問」をつくっておられるとのこと。
どこにいけばその内容が見られますか?
できたら、僕も質問項目作成をやってみたいのです。

そういえば、たしか「グインの部屋」でその話題をみかけたような・・・?

>辻真先さんの作品

「幻説」シリーズとでもいいましょうか?
歴史上の人物を登場させた架空歴史小説とでもいうようなシリーズがありました。
出版社はそれぞれ違いますが、何冊かでていた記憶があります。

李白&阿倍仲麻呂コンビのがトクマノベルス
新撰組の土方(たしか、幻説五稜郭、とかいったっけ?)

たしかこの近辺(半径1.5メートル以内)にはあると思うのですが、
見つけだすのは容易ではないのです。

掘り出すのは、一苦労(笑)

お名前: ミヤ   
海燕さん、ありがとうございます!『中国の壺』を読んでみます。
ホントにみなさん博識ですね。感心いたしました。

> ミヤさんのサイトで、「阿倍仲麻呂」が話題となっていたことがありましたよね?

そう言えばそのようなことがありましたね(大汗)。わたしは単にもの覚えが悪いのかも…(>_<)
またこちらにおじゃまできるように、お勉強しておきます。

お名前: たくせん(謫仙)    URL
海燕さんはまさに「博覧強記」なんですねえ。
さすがの史仙さんも、たじたじのようです。
−タイトルはたしか−
わたしは同じことを、コピーミスでよくやります(笑)。
わたしの好きな金庸の「雪山飛狐」のラストはこうです。
二人が決闘の途中で、

胡斐は無事に帰ってきて苗若蘭と再会できるであろうか。
あの一刀は振り下ろされるのであろうか。
                    (完)

第2巻に続くと思いきや、これで終わりである。???

ブラウンの「火星人ゴーホーム」でも、ラストが判らず、
出版者(読者ではなく)から説明せよと苦情が来たとか。
わたしも判らなかった。

ところで、海燕さんを「グイン…」でもよく見ますが、いつも
改行なしで長文を書くのは、何か訳があるのですか。
他人のホームでこんな問をしてすみません。

お名前: 史仙   
>海燕さん

>トクマノベルスからでていた作品で、タイトルはたしか

なぜ、きったのか?

ロバート・シルヴァーバーグの傑作SF「時間線をのぼろう」のラスト・シーン、
ご存じですよね?

アレをまねしただけです。
いっぺん、やってみたかった(笑)

ああいうエンディング、哀しくてせつなくて、アレであの作品、不朽の名作に
なりえた・・・そんな気もします。
もっとも読者の中には、「印刷されてない!」とかクレームつけた人がいたか
もしれませんが。

お名前: カイエン   
川原さんは「銀英伝」読んでいるみたいですね。ということは「オペラ座の怪人」の「ラ
インハルト」・フォン・ベルンシュタインと「ルドルフ」・シュミット氏の名前はやはり
「銀英伝」はから採られているのでしょう。ちなみに栗本さんは田中芳樹直筆の漫画(!
!!)を所有しているそうです。雑誌「幻影城」繋がりですね。ところで「グイン・サー
ガファンへの100の質問」がちっとも完成しません。100個も質問を考えるのがこれ
ほど大変とは思わなかった。あと40個ほど残っているのですが、なにかいいアイディア
はありませんかねぇ……?

>トクマノベルスからでていた作品で、タイトルはたしか

なぜここで区切る(^_^;)。MIBにでも浚われたんじゃないでしょうね?

お名前: 史仙   
>海燕さん

ぼくに代わってのレス、ありがとうございます(笑)

いやぁ、乙一さんもそうですが、川原泉女史の話題も盛り上がりますねぇ!
やはり衆目の一致するところ・・・天才、才人の作品ってのは、そうなのかなぁ。

>「中国の壺」のこと(略)舞台は現代ですが(略)遣唐使で
  唐に行った日本人が登場

たしかにあの作品はお買い得でした。なにしろ「田中芳樹氏の解説付き」(!)ですから。
ああしてみると、田中芳樹さんって、かなりのミーハー(笑)
ちなみに「アルスラーン戦記読本」にはかの和田慎二さんが寄稿しておられる!
彼らの交友関係の実態がわかってきた、そんな気が・・・。

ミヤさんのサイトで、「阿倍仲麻呂」が話題となっていたことがありましたよね?
「中国の壺」で、異境の地で亡くなった留学生のモデルって、かの人のことじゃ
ないだろうか。ふとそんなことを思いました。
そういえば、詩人李白と、阿倍仲麻呂が探偵役をつとめるミステリーを、辻真先
さんが書いておられましたっけ。
トクマノベルスからでていた作品で、タイトルはたしか

お名前: 海燕    URL
海燕です。

>「架空の森」

は時代劇ごっこと着ぐるみのやつです。「妹よ。忘れろ。あれは架空の風景だ」って
やつ。ラストシーンが最高でした。樽井さんが仰っているのはある意味川原泉唯一の
純粋シリアス作品ともいえる「intorerance…あるいは暮林助教授の逆説」ですね。
森博嗣の短編集にはいっていてもおかしくないような鋭利で耽美なミステリだったと
記憶しています。ほんとうに天才ってやつは、なんでも書けるんですねぇ。

>その中に、平安時代の装束のイラストがあったのですが、何の作品なのでしょう?

一瞬迷いましたが、これはたぶん「中国の壺」のことでしょう。舞台は現代ですが、
回想(1000年以上前のことを回想する幽霊が主役なのですね……)に遣唐使で唐
に行った日本人が登場します。ちなみにこれの文庫版は田中芳樹さんの解説つきでし
た。絵が大きいので単行本版をオススメしますが。

お名前: ミヤ   
カイエンさん、樽井さん、ありがとうございます。
史仙さんのことだから、もうそろそろレスしてくれてるかなぁ…(笑)なんて、のぞいてみてびっくりしました。

ところで、カイエンさんにお聞きしたいのですが…(お詳しそうなので)
「本日のお言葉」にはイラストがあるのですが、出展は書いてないのです。
その中に、平安時代の装束のイラストがあったのですが、何の作品なのでしょう?
是非読んでみたいのですが。(すぐに全作品というのは無理ですので/汗)
よろしくお願いします。

お名前: 史仙   
>ミヤさん、海燕さん、樽井さん

お三方とも、よくいらっしゃいました!
いやぁ、感激です。
僕がちょっと目を離した隙に、掲示板の書き込みがこうまで「増殖」している!
新記録じゃないかなぁ。
うれしいなっと!
(って、こうまであからさまに喜ぶのも少し情けない気がするゾ)

じつは昨日から樽井さん制作の「本好きへの100の質問」へ挑戦していました。
で、やっと答えを「雑感12」へとUPしました。
アレって、自分で質問造っていったら、余計に苦労したろうな。
ホントそう実感しました。

>川原泉さんという人。

海燕さんのご指摘もあるように、守備範囲がじつに広い人です。
それもただ知識を羅列したというのではなく、すべてを咀嚼して
自分の世界を再構成しているから凄い!

こういう人をホントの才人というのでしょうね。
逢ってみたい作家さんのお一人です。

お名前: 樽井  幸雄    URL
 こんちは。樽井です。
 『バビロンまでは何マイル?』が話題になっているのですね。
 懐かしいですね。
 文庫版で最後の一応オチの処まで読みましたが、もっともっと長く続けて
ほしかった作品です。
 カイエンさんおすすめの『架空の森』って、教授と別荘にいったらばとい
う話でしたっけ、赤い小鳥と白い小鳥の。ネタバレにならないように書こう
とすると変になっちゃいましたが。
 僕もあの作品は好きです。
 

お名前: カイエン    URL
「バビロンまで何マイル?」は少女漫画史上屈指の天才漫画家であられるところの
川原泉教授の傑作のひとつですね。僕は彼女の作品はすべて読みましたが、なかで
も「笑う大天使」と「架空の森」はそれぞれ僕の全漫画読書歴における長編と短編
のオールタイム・ベスト10に入る傑作中の傑作中の傑作ですので、お暇があれば
ぜひお読みください。なければ暇をつくって読んでください。損はさせません。
「美貌の果実」だの「ゲートボール殺人事件」だの「ヴァンデミエール 葡萄月の
反動」だの「フロイト1/2」だのもオススメ。まあ、全部おもしろいから全部読
みましょう、全部。ただし最新作だけは川原ファンとしては辛いものがある。なに
かが違う、なにが……。「バビロンまで何マイル?」は塩野七生「チェーザレ・ボ
ルジア 優雅なる冷酷」あたりと比べて読むとおもしろいかもです。

さて、ほかの作品も読んでいけばおいおいわかってくることと思いますが、川原泉
という方は歴史からオペラから古典から物理学まで、とんでもなく知識の幅が広い
ひとでして、読者は時々「は? なんですかそれ? あいどんのー」と思わされま
す。「バビロンまで何マイル?」というこのタイトルもその一例で、じつはこれ、
実際のバビロンとは関係なく、アガサ・クリスティの小説なんかにもよく登場する
マザーグースの歌詞から採られているのです。

 How many miles to Babylon?     バビロンまで何マイル?
 Three score miles and ten.     70マイルだよ
 Can I get there by candle-light?  そこへロウソクの灯りで行ける?
 Yes, and back again,        うん。行って戻って来られるよ
 If your heels are nimble and light, 君の足が速くて軽ければ
 You may get there by candle-light. ロウソクの灯りで行けるよ
 
というわけです。それにしても、これから「オペラ座の怪人」を読むことができる
なんて、なんとうらやましい。どうか、最もリラックスでき、最も読書に集中でき
る環境をつくって本を手に取ってください。それだけの価値はある作品です。



……あの、おハルさん?
はい、なんでしょう、柚子ちゃん。



うう、やっぱり泣けるよな。どこかの同名別人に爪の垢でも煎じて呑ませてやりた
い(笑)。長くなってしまいました。でも、つい長々と語ってしまうこのこの気持
ち、史仙さんならわかってくださいますよね?

お名前: ミヤ    URL
史仙さんオススメの「バビロンまで何マイル?」読みました!
いやー、すっかりお気に入りになってしまいました。
最初のウルトラマンとバルタン星人で、すっかり引き込まれてしまいました。かわゆい!

でも、恐竜時代とルネサンスのみなんですね。タイムスリップは。
バビロンはどうなったの?!って、かんじです。
続編ってないんですよね。書いていただきたいなぁ。
とっても勉強になるし、とにかく絵がわたしこのみです。

横に並んでいた「本日のお言葉」を買ったのですが、
あれは川原泉作品をみんな読んでないと楽しめないかんじです。

ホントにいい作品をご紹介いただきました。感謝!

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