メイク・ア・ウイッシュ指導案

                              2000.11.16. 3年4組 1年5組                                この実践は、2000年2月下関教育フォーラムにおける向山洋一氏の「Make A Wish 」  の授業の追試です。参考文献は、「かんどうボランティア・ブックス」(騒人社)、「ジュニアボランティア教育40号」(東京教育技術研究所)、「Make A Wish of Japan」ホ ームページです。                                           

発問1  ここはどこでしょう。

ノーヒント  写真@掲示 「イグアナ」 本の写真も机間を回って見せる。   ヒント1 この生き物に注目。  ヒント2 三択 @沖縄 A南の島 B佐渡     答え ガラパゴス諸島                                      

指示 ガラパゴス諸島を世界地図で探しなさい。

 世界地図掲示。挑戦者を募り指させる。位置を確認。中米のエクアドルにある。     

説明 この子は「あいちゃん」といいます。中学三年生です。小さい頃ウルトラマンと戦う怪獣に夢中になり、
    怪獣に似ている恐竜が大好きになりました。小学生になると、トカゲ、カメ、ヘビなどのは虫類に
    興味を持ち、自分でいろいろと調べるようになりました。
    そして「一度でいいからガラパゴス諸島に行って、この目で野生のイグアナを見てみたいな。」と
    夢みるようになったのです。

  写真A掲示 「あいちゃん」    

発問2 しかしあいちゃんには、その夢を叶えるためのあるものが、足りなかったのです。
     そのあいちゃんに足りないものを補ってやろうと手を挙げた人たちがいました。       この人たちはあいちゃんに足りないものを補ってやろうと立ち上がったのです。
    さてあいちゃんに足りなかったもの、それは何でしょうか。一つだけ予想して答えを
     書いて、その理由も簡単に書きなさい。     

  写真B掲示 「あいちゃんと人々」
 ヒント 漢字2文字 小学校低学年で習います。    答え 時間    

説明 実はあいちゃんは白血病という重い病気にかかっていたのです。中1で発病し、つらい治療を繰り返し
    ましたが、もう後数ヶ月の命だと言われていたのです。あいちゃんにはガラパゴス諸島にいつか行って
    みたいという夢を実現する時間がなかったのです。
    そんなあいちゃんの夢を叶えるために立ち上がった人たちのおかげで、あいちゃんは夢を叶えるこ
    とができたのです。

写真C掲示  「あいちゃんとイグアナ」  

発問3 この人たちは、あいちゃんのように病気で夢を実現する時間がない子どもたちの夢を叶えられるよう
     応援をするボランティア団体の人たちです。その団体の名前は「Make A Wish」と言います。
     さてこの英語の日本語の意味は何でしょう。  

ヒント Wish は 「願い」、「希望」の意味   願いを叶える   We will make a wish. 我々が願いを叶えましょう。      Let's make a wish.    さぁ、いっしょに願いを叶えてやろう。 Make a wish.      願いを叶えろ!    (病気の子に)(世の中のみんなに)板書 Make A Wish

指示 インターネットに「Make A Wishh」のホームページがあります。設立のきっかけが出ていますから、
    いっしょに読んでみましょう。

  プリント1「英文」配布  プリント2「和文」配布    範読  

説明 アメリカで初めて設立されたこの団体は今日本にも支部がどんどんできています。
    写真に出ている住谷正平くんは、自分の記憶がだんだんなくなってしまう病気でしたが、イルカと
    いっしょに泳ぎたいという夢を持っていました。Make a Wish の団体が正平君の夢も実現してくれました。  

  プリント1 「トップ」のイルカと少年に注目させる。    

発問4 ところでみなさんにも今 いろんな夢や希望がありますね。テストでいい点を取りたいとか、○○高校へ
     進学したいとか、将来○○の仕事に就きたいとか。        夢や希望を持つことはいいとですか。いいことだと言われています。ではなぜ夢や希望を持つことが
     人間にとっていいことなのでしょうか。

  一列指名し発表させる。深追いしない。  

 説明 それは夢や希望を持つことが、人間の「生きがい」になるからです。また生きていく「活力」に
     なります。あと数ヶ月の命と言われたあいちゃんは、実はその後一年半近くも生きることができました。
     また先ほどの記憶がなくなる病気の正平君は、イルカに会えたとき感動して涙を流します。そして
     忘れかけていた「お母さん」という言葉を思い出しています。

 

指示 今日の感想を書きなさい。  

    時間があったのでボランティアの補足をした。

説明 ボランティアというと施設に行ってお手伝いをするとか、手話や点字を習 って障害のある方の役
    に立つとか、非常に大変なことと言うイメージを持っている人がいます。しかし世の中には、実は
    ものすごくたくさんの種類のボランティアがあります。Make A Wishの場合は、少なくとも次の三つの
    方法があるそうです。

   1 資金提供・・・金額を問わずお金を寄付する。お金持ちでなくても、何かの記念に家族やクラス、
             学校で募金活動してみるというのもいい思い出になります。    2 時間提供・・・病気の人についていっしょに旅行するとか、会いたい人に手紙を出したりして連絡を
             とるとか。そういう仕事を自分の時間を使ってやることです。学生さんなら夏休みなど
             できそうですね。
   3 商品購入・・・ボランティア団体ではロゴの入ったTシャツなどを作って売って資金にしているとこ
             ろが多いです。どうせ必要なものなら、たまにこういうのを買うのもいいですね。        

    こうして考えてみるとけっこうできることはあるものです。    

時間提供、資金提供、商品購入などについて説明した。

さらに時間があったので夢を叶える方法を教えた。         

説明 みなさんは「伸びる生徒」「成功する生徒」とはどんな生徒か知っていますか。ずばりそれは
    「丁寧にできる生徒」「続けてできる生徒」です。そのためには日頃から自分の生活で意識して
    おくことです。みなさんは、次のことが毎日できていますか。

    1 挨拶をする。・・・朝の挨拶や、授業の始めと終わり、しっかりできていますか。
    2 返事をする。・・・呼ばれたとき「はい」って言ってますか。
    3 席にイスを入れる。・・・移動教室のとき、終会が終わって帰るときイスが外側に出たままになって
                    いませんか。             
   この三つができている人は、必ず伸びます。必ず成功します。安心して下さい。       できていない人、今日から意識してやって下さい。100日続ければ必ず成果が出ます。  

 

説明  100回という数字には根拠があります。「成長曲線」という言葉を聞いたことのある人はいませんか。
     こんな話があります。東北地方のある精神科の先生が治療のために患者に絵を描かせたところ、
     毎日毎日同じ絵を描いていたそうです。         最初の頃の絵は幼稚園児並の絵だったのが、ところがある時から、患者の絵が変わり始めたのです。
     描いた絵が100枚を越える頃になると、格段にうまくなっていったそうです。高校の美術部の生徒の
     絵に引けを取らないくらいの出来になるそう です。しかもこのことはどの患者にも同じだったのです。
      これは本当の話です。他にも和裁、囲碁などその道のプロが同じようなことを言っています。つまり
     努力は一歩一歩地道に積み上げるしかないが、成長はある日突然急激に起こるということです。  

           成長曲線を板書する。     

説明 しかしその努力を続けるのが難しいのだと言う人がいます。努力を続けるコ ツを今日は特別に教えます。
    それは自分で目当てを立てることです。しかしその目当ては必ず「達成率で評価できる目当て」にすると
    言うことです。毎日2時間勉強 するとか、毎日苦手な教科の「新研究」を1ページするとかなんでもいい
    す。しかし目当てを立てたら、必ず毎日それが達成できたかどうかはっきりさせておきます。一週間に
    七日できたら、達成率は100%です。一週間に五日できたら、71%です。そうして自分の努力が何%
     達成なのかを意識するのです。達成率を友達と競い合うのもいいでしょう。そうすれば努力を続けられる
    ようになります。
   公立高校の入試まではまだ約120日くらいあります。みなさんが今日のお話を参考にして、自分の夢や
   希望を叶えられたら大変嬉しいです。  

   さらに時間があったので、電波少年の「坂本ちゃん」の話をした。   

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