信号場に旅客取扱収入発見!

先日、箱根登山鉄道のあじさい電車に乗り、上りと下りが80パーミルの急坂に挟まれたスイッチバック信号場に停車した時に思い出した。箱根登山鉄道の信号場は客扱いしないが、三丁目の夕日の時代に客扱いしていた国鉄の信号場があったことを。昭和26年度鉄道統計年報・駅別旅客取扱収入表にその名を残した信号場の主なものを以下に抜き出してみた(信号場に続く金額は旅客取扱収入合計(旅客雑収入))。

函館本線・桂川:306,066円(103円)
函館本線・北豊津:251,222円(235円)
函館本線・仁山:957,663円(549円)
函館本線・姫川:102,500円(10円)
函館本線・渡島沼尻:697,722円(352円)
室蘭本線・旭浜:14,676円(0円)
中央本線・新府:919,955円(940円)
中央本線・東塩尻:142,516円(42円)
中央本線・池田(現、古虎渓駅):335,087円(281円)
鹿児島本線・西里:82,654円(25円)
鹿児島本線・唐浜:38,430円(6円)

仁山、渡島沼尻、新府等の大信号場(?)は、単なる普通の駅だった深名線・白樺(230,378円(15円))や大畑線・樺山(141,571円(137円))等のチョー不人気駅も真っ青の繁盛振りだったのだ。その後、正式な駅になるくらいだからね。金銭が絡むため、これらの信号場には、出札業務の資格を持った駅員さんが配置され、切符を売っていたと言う。

左の切符は、三丁目の夕日の時代に、仁山信号場で発行された堂々たるA型の常備片道乗車券。100万円近い旅客取扱収入を上げていた信号場発行の乗車券だから、とっても珍しくないんです。
旅客雑収入が計上されている信号場では、入場券を売っていなかったと考える方が不自然で、羽越線・今川信号場のように、越後寒川駅の2番出札窓口発行の入場券として、確かにこの世に残されているのだ(鉄道切符の殿堂「北茅ヶ崎鉄道切符研究所」にて展示中)。

左の切符は、三丁目の夕日の時代から6年後に入場券買い占め隊が買い占めた穴山駅の赤帯入場券。もしかして 出札窓口○Bって、新府信号場のことかもね。だって、買い占め隊が残した穴山駅の赤帯入場券に、○Bの付いていないものもあるんです。
一方、客扱いしない信号場では、切符を売ってくれないため、来訪記念に忘れ形見を残そうとすれば、 chacha(chabin の友人)のように、信号場の駅員さんを困らせて、乗車証明書 を手にいれなければならなかったのだ。もしかして、これって、現存する最古の狩勝信号場の乗車証明書?