私鉄特急券も赤一条


昭和40年、近鉄の特別急行券は横に赤線一条


昭和41年、東武の特別急行券は縦に赤線一条

左上:昭和31年、小田急の特別急行券は斜めに赤線一条

昭和40年頃までは、国鉄の特急券といえば赤三条でした。ではなぜ、私鉄の特急券は赤三条ではなくて、準急行券(左下)に使われた赤一条にしたのでしょうか? 理由は全く分かりませんが、ここに紹介した国鉄の湘南準急「いでゆ号」は、特急を上回る高速列車で、私鉄特急電車の目標だったことが関係しているかもしれません。

昭和30年頃、東海道線の時刻表を見たchabinを驚かせたのは、憧れの湘南電車「いでゆ」が、ただかっこいいだけでなく、特急「つばめ」や「はと」よりも速いことでした。この頃の特急は料金が高いうえに、三分の二以上の車両が特別2等車か1等展望車(2等車以上は、さらに物品税2割のおまけ付き)だったため、乗ることのできるのは、マル金の特権階級だけ。ボンビーな庶民には高嶺の花の特急よりも、安くて、かっこいい「いでゆ」の方が速いとは! 強きをくじき、弱きを助ける正義の味方、湘南準急を運行する当時の国鉄はもう尊敬もの。そんな夢のような古き良き時代にはもう二度と帰れない。