美しい大正時代の特急券


大正初期には、美しい字紋様に「特急」赤影文字入りのデザインになる。1等は黄色字紋で壹等 特別急行券、2等は青字紋で貳等 特別急行券と表記されている。


大正後期には、250哩、500哩、501哩以上の3地帯制になる。切符の先頭を飾っていた壹等、貳等の文字が消え、「特別急行列車券」になる。


大正12年から、3等車を中心に編成された第3、第4列車(のちの「さくら」)が運行される。「さくらは庶民の特急」といわれる由縁である。この時から、乗車距離に応じて、斜め赤線が250哩迄 1条、500哩迄 2条、501哩以上 3条入るようになる。特別急行列車券の前に大きな「特」の字が印刷されているユニークなデザインで、赤3条券は人気がある。

特権階級しか乗ることのできなかった特急列車にも、平民の味方が登場したのだ。まさに、時は大正デモクラシー。