黒字の時も 赤字の切符


昔々のその昔、赤字なんてまったく考えられなかった鉄道省の時代に、通称「野球乗車券」と呼ばれた赤字切符(赤刷券)が発行されたという。人気絶頂だった東京六大学野球観戦客用に売られたと考えられている。裏面の券番も赤字印刷。


戦後、赤字とは無縁の黄金時代を迎えていた国鉄でしたが、昭和30年代後半になると、政治屋様からの新線建設の強力なるプレッシャーにより、赤字路線開通の重荷を背負わされることになりました。赤字を予言するかのような切符が発行されたのもこの頃でしたね。

赤刷券は、関東地区の両矢印式、相互式、地図式のB型乗車券として、また東京駅の入場券として発売されたといわれています。左はその実券4枚。


この他にも、臨時列車用の料金券や東京駅以外の入場券として赤字の切符は発売されています。左は、ひので銀嶺号用の準急行券。どうして赤字にしたのでしょうか?