数万人とも云われる鉄道切符収集家で入場券を集めていない人はいないほど、硬券入場券は人気があります。現在、ネットオークションなどの切符市場で流通している入場券は昭和30年代以降の切符がほとんどですが、どんなに希少な切符でも10万円未満のため、リスクは比較的少ないとは云え、必ずしも古いものが高く、新しいものが安いとは限らないことが多々あり、趣味と実益を兼ねた争奪戦には本当に驚かされます。興味の無い人にとっては、使えない切符はただの可燃ゴミ。かく云うchabinも、5年前に押入れからでてきた 可燃ゴミ を一度は燃やそうとしたんですから。そこで、第1回は入場券鑑定のバイブル「鉄道入場券図鑑*」を参考にしながら、捨ててはならない入場券の鑑定にチャレンジします。結果は当たるも八卦、当たらぬもハッケヨイヨイ?


左の廃止駅入場券5枚、「鉄道入場券図鑑」の鑑定結果は?

郷津(北陸本線44.10.1廃止):2000円
豊泉(室蘭本線43.5.15廃止):2000円
浦町(東北本線43.7.22廃止):2000円
芦原(三国線47.3.1廃止):500円〜1000円
岩代川俣(川俣線47.5.14廃止):500円〜1000円


左の駅名改称駅入場券5枚、「鉄道入場券図鑑」の鑑定結果は?

金津(北陸本線47.3.15改称):500円〜1000円
三田尻(山陽本線37.11.1改称):2000円
大沼(函館本線39.5.1改称):2000円
狩太(函館本線43.4.1改称):1500円
己斐(山陽本線44.10.1改称):1500円


左の無人化駅入場券5枚、「鉄道入場券図鑑」の鑑定結果は?

梶屋敷(北陸本線45.4.13無人):1200円
東山梨(中央本線45.10.1無人):1200円
子供の国(日豊本線46.10.1無人):1200円
東浜(山陰本線47.2.10無人):1200円
和田浜(境線47.9.1無人):1200円


以上の鑑定結果はネットオークションでの落札価格とは大きな開きがあります。鉄道入場券図鑑発行から23年が経ち、その間の物価上昇率120〜130%(当時110円だった入場券は130〜140円に値上げ)を考慮しても、まだ差があるようです。より実勢価格に近い鑑定を行うためには、廃止、改称、無人化の時期だけでなく、その希少性、すなわち入場券の発行枚数も加味して鑑定する必要がありそうです。次回は、どのような駅の入場券が売れ筋だったのかをご紹介する予定です。

*:鉄道入場券図鑑、運輸情報センター、1981年