3等級時代の特急券の巻


大正9年頃までの「特急」の赤影文字入り特別急行券の裏は英語表記でした。当時から特急は「Limited Express」という特別な限定急行列車だったんです。

これは見本券ですが、幻の実券がその時の乗車券とペアでネット出品されたのは記憶に新しいところです。ペアで落札価格30万円也の激レア切符も裏面は同じように英語表記でした。


敗戦後すぐに進駐軍のグローバルスタンダードな英語が使われると思いきや、英語が裏面に復活したのは敗戦から7年経った昭和27年のことでした。その時、特急券以外の料金券でも、1等車と2等車用の切符の裏面に英語が復活しました。英文は、大正時代の特急券の方が丁寧な印象を受けます。特急復活は昭和24年のことですが、赤線無し特別急行券や初期の斜め赤3条特別急行券には、英語表記はなかったのです。敗戦後しばらくの間は、特急よりも豪華な進駐軍専用列車が走っており、占領軍は日本人の乗る汽車に乗る必要がなく、従って、「表は英語、裏は日本語(?)」の切符は必要なかったようです。


左は3等級時代後期の縦線赤3条特別急行券。斜め赤3条特急券と違った英文(例. up to 400KM が省略されている)を使っていますね。