三丁目の時代・人気の特急券

三丁目の夕日の時代には、優等列車のランクを表すかのように、特急券や急行券には赤い線が入っていた。左は、三丁目の夕日の時代の数年前に発行された切符3枚で、上から順に、大阪から600qまでの特別急行券、普通急行券、準急行券。お値段は、乗車券の時と同じ計算方法で、特急券=急行券×2=準急券×4。左の切符が発行された当時には、特急列車は「つばめ」、「はと」、「かもめ」の3本しか走っていなかった。いずれも、スピードだけでなく、設備やサービス面も特別な限定急行列車だった。そんな特急列車に乗ることなんぞ、若かりし chabin にとっては夢のまた夢。父の土産の特急券を巡って、兄弟でいつも激しい争奪戦が繰り広げられるのだった。

三丁目の夕日の時代に登場したこだま号は、「特急は機関車牽引でなくっちゃ」という鉄道の常識を覆した画期的な電車特急。速さ+美しさ+快適さの三拍子揃った憧れの特急として大変な人気だった。そのころ、特急券にも大きな変化があった。一つは、特急列車名をそれまでの列車番号から愛称名にしたこと、もう一つは、赤線が斜めから縦になったことだった。

列車愛称名入り斜め赤三条特急券は、発売期間が1年足らずと短かったため、貴重品。列車名常備券はとても人気がある。

左の3枚は、名古屋から400qまでの特急券。お値段は上から順に、三等600円、二等1440円、一等2160円。格差解消を目指していた三丁目の夕日の時代は、弱きを助け強きをくじく物品税全盛時代。特急といえども三等は消費税無しだったのに対して、二等と一等には2割の課税。構造改革時代にあって、政財界の卑しい○金達が、格差拡大に最も有効な「負担平等の消費税大増税」を声高に叫ぶのを聞くたびに、三丁目の時代の上流階級は富の再配分に寛容だったんだなあ〜と、あらためて当時を懐かしがる chabin でした。

下流も中流も上流も、自由で平等で平和な社会の実現を目指した三丁目の時代は、希望に満ちた本当に幸せな時代だったんですね。