相互式の乗車券


乗車駅(発駅)と下車駅(着駅)を両方向の矢印で結んだ様式の切符を相互式乗車券と言うそうです。お目見えした昭和7年当時は、発駅が左側、着駅が右側でしたが、しばらくすると発駅は右側に、着駅は左側に入れ替わりました。


相互式切符の発駅と着駅は、その後、事あるごとに左に行ったり右に行ったりしました。左は「桜木町←→横浜間」用に使われた片道乗車券、昭和6年から39年迄の8枚。

@:昭和6年、矢印式で発売。通用發行日共2日 三等 5錢
A:昭和13年、右=発駅、左=着駅。通用發賣日共2日 3等 5錢
B:昭和25年、左=発駅、右=着駅。通用發當日限り 3等 5円
C:昭和27年、左=発駅、右=着駅。通用発売日限り 3等 10円
D:昭和33年、右=発駅、左=着駅。通用発売日限り 3等 10円
E:昭和36年、左=発駅、右=着駅。通用発売日限り 10円 2等
F:昭和37年、左=発駅、右=着駅。通用発売日限り 10円 2等(赤券)
G:昭和39年、左=発駅、右=着駅。通用発売日限り 10円 2等(赤券)。東急との相互利用が廃止されたので、途中駅=高島町で下車する事ができなくなり、下車前途無効の記載がなくなりました。

商業的な価値はさておき、間もなく東急との並走がなくなる区間の切符に「右に行ったり左に戻ったり」の変遷を見る事ができて面白いですね。