第9日 値崩れ特別座席券
「都落ちしたパーラーカー」

東海道本線時代のパーラーカーに乗るには、超高値な特別座席券を購入しなければなりませんでした。おまけに、弱きを助け強きをくじく世界に冠たるシャープ税制の物品税全盛時代ゆえ、乗る人は異常に少なかったと思いきや、おおいに繁盛していたとか。その頃のやんごとない方々や大金持ちは、自分達が所有する富の再配分に寛容だったに違いない。富の集中を目指す構造改革の現代にあって、弱きをくじく消費税大増税と強きを助ける法人税大減税・累進税撤廃・相続税廃止を声高に叫ぶ政財界の卑しい丸金達からはとても想像することのできない、そんなセレブな乗客が乗るパーラーカーはボンビーな平民の chabin には、恐れ多くて近寄ることさえはばかられる存在だったのです。そんな訳で、東海道時代の特別座席券は大変貴重な切符ですが、今もなお、かなりの枚数が、確かにこの世に存在するようです。一方、東海道新幹線開業で山陽路に都落ちしてからのパーラーカーは、セレブな乗客が乗ることも無く、激安値下げしたにもかかわらず、いつもガラガラだったとか。その値崩れ特別座席券としてこれまでに以下の3種類が発行されたと言われています。
1.東海道時代の特別座席券と同じ様式で額面500円。
2.D型の○○号特別座席券(券面に列車の愛称を記入する様式)。
3.A型の○○号特別座席券(券面に列車の愛称を記入する様式)。
中でも3の「A型○○号特別座席券」は、切符専門店はおろか、高名な収集家も所有していない非常に珍しい切符らしく、見本帖でしか見ることができませんでした。こんなA型○○号特別座席券もネット出品されたことがあるんですから、ネットオークションからは目が離せませんね。
左は、その珍券を偽造したものです。どういうわけか、値崩れ特別座席券は第2しおじと決まっているから摩訶不思議!


列車名が印刷された特別座席券は発行されなかったことになっていますが、せっかくのネットツアー企画ですから、列車名常備の特別急行券・特別座席券を見栄えの良いD券で捏造してみました。こんな切符が発売されていたら、もっと利用者が多かったかも?


最終日は、「旅から帰って、夢から覚めて」をお送りする予定です。