入場券を売っていた仮停車場

信号場と違い、仮停車場は旅客を取り扱う立派な駅であり、出札業務の資格を持った駅員が配置され、切符を売っていたと言われています。駅の統計情報に基づいて、旅客雑収入や入場料金が計上されている仮停車場を抜き出してみました。

仮停車場/臨時乗降場 入場料収入と旅客雑収入の記録 鑑定結果 備考
東海道本線・袖師 S1〜16年度に286円以上の入場料金を記録 海水浴客
東海道本線・名古屋博覧会前 S11、12年度の入場料金は「―」 名古屋汎太平洋平和博覧会(S12)
東海道本線・梅小路 M43年度の入場料金に「―」を記録 東,西本願寺及知恩院大法会参拝団体旅客並びに同旅客
北陸本線・浜黒崎 S1〜16年度に108円以上の入場料金を記録 海水浴客
中央本線・甲斐善光寺 T6年度に3円の入場料金を記録 甲斐善光寺大開帳及び武田信玄公三百五十年祭挙行(T6)
中央本線・鶴舞公園 S3年度に190円の旅客雑収入を記録 御大典奉祝名古屋博覧会(S3)
伯備線・酒津 S9年度に1円の入場料金を記録 観桜
呉線・狩留家浜 S3〜5年度に4円の入場料金を記録 海水浴客
呉線・安芸浜崎 S1〜16年度の入場料金は「―」 海水浴客
山陰本線・白兎 T14〜S16年度の入場料金は「―」 海水浴客
山陰本線・清水寺 T4〜T8年度の入場料金は「―」
関西本線・午起 S6〜16年度に50円の入場料金を記録 海水浴客
関西本線・亀ノ瀬東口 S6、7年度の入場料金は「―」 亀ノ瀬隋道不通に伴い開設
関西本線・亀ノ瀬西口 S6、7年度の入場料金は「―」 亀ノ瀬隋道不通に伴い開設
上越線・大穴 S34年度=240円、S35年度=60円の入場料金を記録 スキー季節中に限り開設
上越線・岩原スキー場前 S34〜35年度に5260円の入場料金を記録 スキーの季節に限り開設
予讃本線・津島ノ宮 T4〜S16年度の入場料金は「―」
予讃本線・椿宮 S7〜10年度、S13〜14年度の入場料金は「―」 伊予豆比古命神社大祭の日に限り開設
小松島線・小松島港 S30年度から旅客雑収入計上
鹿児島本線・唐浜 S26年度に旅客雑収入=6円を計上 海水浴客
長崎本線・目達原 S2年度旅客雑収入=1円、S3〜S16年度の入場料金「―」
長崎本線・横島 S27〜S39年度に旅客雑収入=1145円を計上 海水浴客
筑肥線・生の松原 S35年度に旅客雑収入=125円を計上(S36〜38年度は0円) 海水浴客
松浦線・志佐海水浴場 S35年度=20円、S37年度=30円の旅客雑収入を計上 海水浴客
日豊本線・心岳寺 T12〜S16年度の入場料金は「―」 平松神社大祭執行の期に限り開設
日南線・高松海水浴場 S35年度に旅客雑収入=365円を計上 海水浴客

切符を売っていた仮停車場の一覧がお見苦しい表になりましたことをお詫びいたします。でも、これによれば、と鑑定した仮停車場では、何らかの形の入場券が発行されたと考えるのが合理的です。だって、袖師や岩原スキー場前の赤線入場券は今もなお、かなりの枚数が生存しているんですから。
それにしても、もし、大穴の入場券がオークションに出品されたら、ギャンブラーの間で大変な争奪戦が展開されるかもね。