戦前に廃止された松浦線の駅の鑑定

戦前の鉄道統計資料には、昭和11年に国有化され松浦線になった佐世保鉄道の幻の駅の営業記録が残されています（下表参照）。

この表により、戦前に廃止された幻の駅の営業状況は以下の通りだったと推理できます。

�@昭和14年度迄は　いずれも有人駅。
�A実盛谷、山ノ田、泉福寺、御橋観音、肥前黒石、大悲観は　昭和14年度内に無人化されました。
�B上佐世保と四ツ井樋は たぶん、廃止迄 有人駅。
�C6年間の入場券発行枚数は、上佐世保≒500枚、四ツ井樋≒20枚。
�Dその他の駅のS11〜14年度入場料金は 空位（―）だけれど、何枚かの入場券が発行されたと考えてもおかしくないかも？

なお、参考に挙げた祝橋、世知原、臼ノ浦、肥前池野、柚木は、国有化時は松浦線でしたが、後に世知原線、臼ノ浦線、柚木線となり、いずれも昭和40年代に廃止されました。世知原、臼ノ浦、柚木は終着駅にもかかわらず、戦前から不人気な駅だったらしく、入場券発行枚数は少なかったようです。特に、戦後の赤線10円入場券時代、臼ノ浦と柚木はとても不人気で、門司印刷A型10円3期券の券番は各々、0029と0059。年に数枚程度しか売れていなかったようですね。