山口線・周防下郷駅 VS 上山田駅 VS 矢原駅

 開業から駅員無配置と思っていた山口線の3駅が、鉄道統計年報の旅客取扱収入表に載っています(下表参照)。

駅名 入場料金(円)
S10 S11 S12 S28 S29 S30 S31* S32* S33* S35*
山口線・周防下郷 10.12/20開業
山口線・矢原 10.10/1開業
山口線・上山口 28.4/10開業 0 0 0 220 295 240
*:S31、S32、S33、S35は旅客雑収入

3駅には、次のような特徴があります。

(1)周防下郷駅
 
  昭和10年度から12年度迄の3年間だけ登場し、昭和13年度からは駅名がありません。昭和12年度末迄には駅員無配置になったとも考えられます。定期運賃、手荷物・小荷物運賃及び郵便物運賃は記載されていませんが、旅客運賃や旅客雑収が記録されているので、乗車券は売っていたものと思われますが、入場券が発行されたかどうかは微妙です。

(2)矢原駅

 周防下郷と同じで、昭和12年度末迄には駅員無配置になったとも考えられます。旅客運賃額が周防下郷の半分以下で、非常に不人気な駅だったらしく、入場券発行の可能性はゼロかもね。

(3)上山口駅

 定期運賃や手小荷物運賃や郵便物運賃が記録されているので、開業当時は実に立派な有人駅だったと考えられます。でも、最初の3年間は1枚の入場券も発行されていませんでした。昭和31年度以降は入場料金の記録が無く、旅客雑収入のみ記載されていて、入場券が発行された確かな証拠は見当たりません。S31〜33年度の旅客雑収合計が755円なので、もしかすると奇跡的に何枚か発行されたかも。S35年度以降の駅別旅客取扱収入表上山口の名前が見当たらないため、S34年度末迄に無人化されたと思われます。

他の路線では、開業の年に入場券が発行されている幻の駅を数多く発見しましたが、残念ながら、山口線の3駅には当てはまりませんでした。と言うことで、1枚も残っていないでしょうね?