高山本線・禅昌寺駅 VS 越美南線・美濃山田駅

 以前、続デタラメ切符鑑定団で中部地方の鑑定をした際には、赤線10円入場券の発行枚数を、禅昌寺は数百枚、美濃山田は極小と鑑定しました。戦後がこんなに不人気だったので、戦前はもっと不人気で、入場券はほとんど発行されなかったと考えたくなりますが、戦前の鉄道統計資料によれば、開業から約10年間の赤線5銭券発行枚数は、禅昌寺≒660枚、美濃山田≒100枚であり、皆無ではありませんでした(下表参照)。

駅名 入場料金(円)
S6 S7 S8 S9 S10 S11 S12 S13 S14 S15 S16 合計
高山本線・禅昌寺 37.4/1無人 3 1 1 2 1 1 4 6 14 33
越美南線・美濃山田 34.6/1無人 1 2 1 1 5
(参考)
高山本線・渚 44.1/1無人 1 1 1 5 7 5 20
越美南線・板取口 31.12/20美濃立花に改称 1 1 1 1 4
越美南線・美濃洲原 31.12/20木尾に改称 1 1 2 1 5 10
越美南線・深戸 49.12/1無人 1 1 2 4
越美南線・大中 49.12/1無人 1 2 1 1 1 5 11

 同じ越美南線の深戸や大中などでも、10円券よりも5銭券の方が発行枚数は多かったので、禅昌寺も美濃山田も戦前の方が多かったと推測されます。ところで、高山本線と越美南線各駅における入場料金を閲覧すると、開業の年に全駅で1円以上が記録されています。開業初日のナンバーワン切符を求める鉄人が昔々のその昔からいたのかもね。