無人駅の鑑定結果(北海道)

駅名 営業範囲など 入場券の発売
瀬棚線・茶屋川 ・4.12/13旅客取扱開始(一般運輸営業)
・35.6/10一般運輸営業→旅客手荷及び小荷
・36.6/1手荷及び小荷取扱廃止、駅員無配置
旅客雑収入が少なく、不人気な駅だったけれども、無人化される前日の36.5/30まで発売?
幌内線・幌内住吉 ・33.8/5仮乗降場→停車場、旅客取扱開始
・40.5/1駅員無配置とする
・47.11/1廃止
幌内住吉駅の入場券として、札幌印刷場発行の3期券が残されていることから、S33年には、3期券に切り替わっていたようだ。
歌志内線・文珠 ・21.11/1仮乗降場
・22.2/20仮乗降場→停車場(一般運輸営業)
・36.2/10手荷小荷及び小口扱貨物取扱廃止
無人化時期は不明だが、36.2/9迄は有人駅だった? S26年〜28年の旅客雑収入は大きく、不人気な駅ではなかったけれども、入場券の実券が殆んど残っていないのは摩訶不思議?
深名線・蕗ノ台 ・16.10/10開業(一般運輸営業)
・35.12/10一般運輸営業→手荷小荷及び小口扱貨物
・39.4/1手荷小荷及び小口扱貨物取扱廃止
・52.12/1冬季休止(〜53.3.31)
39.3/31迄は有人駅。文献(*)に「S39年に無人駅となった」との記述があることから、39.4/1に無人化されたと考えるのが自然? S35年頃迄は乗降客も多く、年間の貨物収入も860万円(S32年)に達し、かなり繁盛していたとか。そのため、激レアな蕗ノ台駅の赤線入場券は百枚位発行されたらしく、この世に数十枚残されているという。
深名線・白樺 ・16.10/10開業(一般運輸営業)
・35.12/10一般運輸営業→旅客
・36.4/1駅員無配置とする
・52.12/1冬季休止(〜53.3.31)
旅客雑収入が極小のチョー不人気駅だった白樺駅にも繁盛していた時代があった。造材事業が盛んに行われたS32年度頃には、年間貨物収入が1100万円を越えていたという(*)。96牽引のキマロキが貨物線を段切り作業している写真には、積み出しを待つ木材が貨物駅に積まれているように見えるのだが。深名線でもキマロキは珍しかったらしく、鉄道員のご子息とおぼしき青年が写真を取っている姿が印象的である。推定発行枚数二〜三十枚といわれる赤線入場券は奇跡的にこの世に残されている。
深名線・西名寄 ・16.10/10開業(一般運輸営業)
・35.9/15一般運輸営業→手荷小荷及び小口扱貨物
・36.4/1駅員無配置とする
白樺駅より3ヶ月早く貨物取扱を廃止した西名寄の無人化日は白樺と同じ36.4/1とされているが、実際はどうだったのだろうか。不人気だったこの駅の赤線入場券を持っている鉄人は殆んどいないようだ。
胆振線・上長流 ・19.7/1胆振縦貫鉄道買収。停留場→停車場(旅客)
・34.4/1駅員無配置とする
・34.10/1上長和に改称
上長流(かみおさる)の入場券は現存するかもしれないけれど、上長和の入場券はこの世に存在しないはず。上長和に駅名改称される半年前に無人化されたからである。
夕張線・南清水沢 ・37.12/25旅客取扱開始
S56年時点で業務委託駅とされる南清水沢(*)の赤線入場券は、高名で高齢な入場券収集家も所有してしない激レア切符だという。理由として考えられるのは、@開業当時無人駅でS40年代に入って業務委託になった、A開業当時簡易委託駅でのちに入場券を売るようになった、等だが、資料だけではよく分からない。
富内線・豊城 ・18.8/1北海道鉄道買収、改称(上鵡川→豊城)
・31.8/15一般運輸営業→旅客
31.8/14までは貨物も取り扱う立派な駅だった。S39年の鉄道路線図では無人駅とされていることから、31.8/15に無人化されたと考えられる。S27年以降は急激に不人気駅となったらしいけれども、赤線10円券が発行された可能性はないわけではない。
池北線・川上 ・T9.6/1開業(一般運輸営業)
・37.1/15一般運輸営業→旅客手荷小荷及び小口扱貨物
(不集貨及び不配)
・37.10/1手荷小荷・小口扱貨物取扱廃止、駅員無配置
不人気な駅だったけれども、深名線の白樺に比べれば、旅客雑収入は高かったので、10円券が残っていてもおかしくないのだが。もしかして、地元の鉄の古老が奇跡的に愛蔵しているかも。
名寄本線・豊野 ・22.2/11仮停車場
・25.1/15仮停車場→停車場。旅客手荷・小荷取扱開始
・34.6/1手荷及び小荷取扱廃止、駅員無配置
無人化されて50年以上経つ幻の駅の入場券は、10円券よりも むしろ5円券の方が残されている可能性が高いかもしれない。
湧網線・北見平和 ・29.1/1仮乗降場→停車場。旅客手荷・小荷取扱開始
・35.9/25手荷及び小荷取扱廃止
35.9/25までは駅員が配置されていたと思われる北見平和駅の無人化日は深名線の白樺や西名寄と同じ(36.4/1)かも。S28°旅客雑収に160円が計上されているので、もしかして、開業初日の入場券が残されているかもよ。
湧網線・二見ケ岡 ・10.10/10開業(一般運輸営業)
・35.10/1一般運輸営業→旅客
・36.4/1駅員無配置とする
深名線・白樺や西名寄と同じ日(36.4/1)に無人化された不人気な駅は、戦前の方が人気があったようだ。S11°鉄道統計資料には、湧網東線・二見ケ岡駅に入場料3円が計上されている。
相生線・上美幌 ・T13.11/17開業(一般運輸営業)
・35.8/20一般運輸営業→旅客手荷小荷及び小口扱貨物
・35.9/15旅客手荷小荷及び小口扱貨物→旅客手荷小荷(不配)
・37.4/1手荷及び小荷取扱廃止、駅員無配置
去年のネットツアーでご紹介したように、S27年頃からチョー不人気駅に転落した上美幌駅の10円券を手に入れるのはチョー難しいようだ。
根北線・以久科 ・32.11/10開業(一般運輸営業)
・33.8/20一般運輸営業→旅客、駅員無配置
開業から僅か9ヶ月余りで無人化されたこの駅の入場券なんぞ、とっくの昔に絶滅したと思っていたら、奇跡的に生存しているとの風評があるという。
根北線・越川 ・32.11/10開業(一般運輸営業)
・35.7/25貨物及び配達取扱廃止
・37.4/1手荷及び小荷取扱廃止、駅員無配置
終着駅だったので、かなりの数の入場券が発行されたそうな。がしかし、無人化から50年近くが経った今となっては、非常に貴重な切符になってしまった。
営業範囲の出典は以下の通り。
 ・日本交通公社「停車場変遷大事典」、1998
 ・日本国有鉄道編「停車場一覧」、昭和41年3月1日現在
 ・北海道鉄道百年史
*:幌加内町百年史

入場券の画像は実に悪い仕事の捏造ですので、悪しからず。