無人駅の入場券発売状況(東北編)

開業以来無人または昭和41年頃迄に無人化された駅のうち、赤線入場券を販売していた可能性が高い東北地方の駅をリストアップし、駅の無人化に関する文献資料の記述を一覧表にして以下に示す。

昭和41年頃迄に無人化された旅客駅など 鉄道入場券
図鑑
旅客事務用
鉄道路線図
鉄道統計年報 停車場変遷大事典他より 鑑定結果
S26 S27 S28
仙石線・陸前浜田 37.8/11無人 有人 301 285 340 ・19.5/1宮城電気鉄道買収。停留場→停車場 40年頃迄、駅員配置?(★@)
仙石線・手樽 33.10/1無人 無人 231 125 80 ・33.10/1手荷・小荷取扱廃止 33.10/1無人(★A)
仙石線・陸前富山 21.6/10開業 33.10/1無人 無人 150 675 1845 ・21.6/10旅客取扱開始(※実態は復活) 33.10/1無人(★A)
仙石線・陸前大塚 21.6/10開業 33.10/1無人 無人 141 290 405 ・21.6/10旅客取扱開始(※実態は復活) 33.10/1無人(★A)
仙石線・東名 33.10/1無人 無人 1637 1326 3040 ・19.5/1宮城電気鉄道買収。停留場→停車場 33.10/1無人(★A)
仙石線・鹿妻 21.6/10開業 33.10/1無人 無人 486 640 625 ・21.6/10旅客取扱開始(※実態は復活) 33.10/1無人(★A)
石巻線・沢田 37.10/1無人 無人 526 980 751 ・37.10/1旅客手荷小荷・小口扱貨物→旅客 37.10/1無人(★B)
釜石線・柏木平 37.2/1無人 無人 1096 885 625 ・37.4/1手荷及び小荷取扱廃止 37.4/1無人(★C)
花輪線・土深井 37.4/1無人 無人 621 650 865 ・37.2/1旅客手荷及び小荷取扱廃止 37.2/1無人(★D)
大湊線・北野辺地 33.12/20開業 41.4/15無人 有人 ・33.12/20旅客取扱開始 41.4/15無人(★E)
大畑線・樺山 34.4/10無人 無人 137 65 65 ・34.4/10手荷及び小荷取扱廃止 34.4/10無人(★F)
大畑線・陸奥関根 34.4/10無人 無人 214 888 712 ・34.4/10手荷及び小荷取扱廃止 34.4/10無人(★F)
大畑線・正津川 34.4/10無人 無人 1056 638 376 ・34.4/10手荷及び小荷取扱廃止 34.4/10無人(★F)
会津線・中荒井 22.12/12開業 40.9/25無人 有人 356 355 385 ・40.9/25旅客手荷及び小荷(不配)→旅客 40.9/25無人(★G)
会津線・糸沢 28.11/8開業 40.9/25無人 有人 160 ・40.9/25旅客手荷及び小荷(不配)→旅客 40.9/25無人(★G)
日中線・会津村松 32.7/1無人 有人 593 316 130 ・32.7/1一般運輸営業→旅客 有人でも出札中止か?(★H)
日中線・上三宮 32.7/1無人 有人 277 295 160 ・32.7/1一般運輸営業→旅客 有人でも出札中止か?(★H)
日中線・会津加納 39.4/1無人 有人 735 570 655 ・32.7/1一般運輸営業→旅客手荷及び車扱貨物(不配) 有人でも出札中止か?(★H)
日中線・熱塩 39.4/1無人 有人 1570 2365 800 ・32.7/1一般運輸営業→旅客及び手荷(不配) 有人でも出札中止か?(★H)
生保内線・刺巻 39.4/1無人 有人 469 710 906 ・40.2/10手荷及び小荷取扱廃止 40.2/10無人(★I)
【凡例】
 旅客事務用鉄道路線図(1964年)に駅員無配置とされている駅を無人、その他を有人と記載。
 鉄道統計年報(昭和26年、昭和27年、昭和28年)の旅客雑収入金額(円)。
その他のおまけの駅
以前ご紹介した無人駅や信号場のデータを取り出しましたので、ご参考までにどうぞ。
東北本線・苫米地 36.8/15開業 43.10/1無人 無人 ・36.8/15旅客取扱開始 開業以来無人?(★J)
磐越西線・東下条 28.1/10開業 48.12/1無人 無人 ・28.1/10旅客取扱開始 開業以来無人?(★J)
会津線・滝谷 開業以来無人 有人 1517 2375 2185 ・46.8/29一般運輸営業→旅客 46.8/29無人(★K)
羽越本線・今川(信号場) 19.7/1開業 臨時発売駅 信号場 4530 2873 3610 ・24.4/1旅客乗降取扱開始、62.4/1廃止→駅 24.4/1から乗車券発売(★L)
★@(仙石線・陸前浜田駅):S36発行の赤線入場券が残されているので、33.10/1以降もしばらくは有人駅だった。旅客事務用鉄道路線図(1964年)でも有人駅なので、40年頃迄、駅員が配置
 されていた可能性がある(入場券を発売していたかどうかは不明)。
★A(仙石線・手樽、陸前富山、陸前大塚、東名、鹿妻駅):手樽は33.9/30迄、手荷物・小荷物取扱駅だったので、その時迄は有人駅だった。その他の陸前富山、陸前大塚、
  東名、鹿妻も、手樽と同様にS28迄は旅客雑収入が計上されていることから、手樽が無人化されたと同じ日(33.10/1)に無人化と考えられる。
★B(石巻線・沢田駅):37.9/30迄は荷物貨物取扱駅だったので、その時迄は入場券を発売していたと考えるのが自然。
★C(釜石線・柏木平駅):・37.3/31迄は手荷小荷取扱駅だったので、その時迄は入場券を発売していたと考えるのが自然。
★D(花輪線・土深井駅):37.1/31迄は手荷小荷取扱駅だったので、その時迄は入場券を発売していたと考えるのが自然。
★E(大湊線・北野辺地駅):文献だけでは無人化時期は不明だが、S37発行の赤線入場券が残されているので、開業当時は有人駅だったようだ。
★F(大畑線・樺山、陸奥関根、正津川駅):34.3/30迄は手荷小荷取扱駅であり、不人気駅の樺山以外は26〜28年旅客雑収入もそれなりに計上されているので、その時迄は
  立派な有人駅だった(入場券を発売していたかどうかは不明)。
★G(会津線・中荒井、糸沢駅):手荷小荷廃止の40.9/25に無人化。
★H(日中線・会津村松、上三宮、会津加納、熱塩駅):会津村松と上三宮は32.7/1に一般運輸営業から旅客に変更された後、32.9/1に旅客手荷及び車扱貨物(不配)となり、
  その他の駅も含めて、廃止の2ヶ月前迄、手荷物取扱駅だった。旅客事務用鉄道路線図(1964年)には有人駅となっているが、出札窓口が閉鎖されていた可能性もある。
★I(生保内線・刺巻駅):40.2/9迄は手荷小荷取扱駅だったので、その時迄は有人駅であり、赤線入場券も売られていた。
★J(東北本線・苫米地駅、磐越西線・東下条駅):30年代は有人駅とされているが(鉄道入場券図鑑)、旅客事務用鉄道路線図(1964年)では無人駅である。28.1/10開業の
  東下条は鉄道統計年報(27年度、28年度)に記載されていないため、開業当時から無人駅だったと考えられる、その後に駅員が配置されたとの記録は見当たらない。
★K(会津線・滝谷駅):開業以来無人ではなくて、46.8/28迄は一般運輸営業の実に立派な駅だった。硬券入場券もそれなりに残されている。
★L(羽越本線・今川信号場):24.4/1旅客乗降取扱開始以降、年間収入110万円(28年度)を計上する実に立派な信号場で、並み居る不人気駅も真っ青だったに違いない。