第7回 どっちが表の巻

これまで何回かchabinのゴミ箱で取り上げてきたように、どちらが表か裏なのか分からない切符には、次のようなものがある。
@表と裏が別々の切符(例.表は指定、裏は急行券
A表と裏で一つの切符(例.表は地図券、裏は指定券
B表と裏が同じ切符(例.表も裏も座席券
この他に、裏に字紋が印刷されたミスのような券もある。今回、ご紹介する流用券は、この類の切符である。

左は、昭和19年8月に発行された小人影文字入り2等普通急行券(または特別急行券)の用紙を流用した珍しい切符だが、この券の有効期限表示は実に妙である。

10年程前に開かれたS友社の即売会でバーゲン台のクズ券の中から変な切符を発掘した。裏にはべったり紙が張り付き、表もすりきれて非常に状態が悪かったけれども、安値なので、まあいいかっ! で購入。数年後のある日、ゴミ箱の中に放置していたこの切符の裏が気になって、張り付いた紙をはがしてみると、左下のような摩訶不思議な裏面が出現した。解読困難なれど、「8の日 上越信越線 乗車券発売? 裏面注意」と読み取れる。ということは、裏面だと思っていた方が表で、表と思っていた方が実は裏だった。この変な切符も、2等用の第1種列車急行券を流用した券らしい。

列車指定券の一種に「Xの日 列車指定證」という切符は存在した(⇒ Xの日に列車指定證に指定された列車に乗車できるというもの)が、この妙な券は、乗車券の販売をより厳しく制限するために用いた整理券みたいなものかも。