『・・・』



銀の鎖につながれた青い空
人目を気にする裏道の犬

すべてが小さなかごの中で
同じ時をあてもなく漂う

季節は薄汚れた黒い雲
遠くの風に運ばれて
また一つ小さな傷痕を作る

一時の光につつまれた僕は
折れた翼をだらしなくぶら下げた堕天使

真四角のサイフの中に片腕のとれかかったピエロ

夕日に泣いて夜の闇に囲まれても
それでも真っ白な雪を望んでいる
身の内の黒を覆い隠すように

時代は焼け焦げた星の砂
近くの海にのみこまれ
また一つ無意味な思い出をかき消す

一筋の光に振り向いた君は
弱い絆を見知らぬ人に求める偽善者

泥だらけのキャンバスに場違いな白いブーツ

笑顔を忘れ無の混迷に包まれても
それでも自由の世界に追い縋る
あこがれるものは何もないと言いきかせて・・・



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