INTERVIEW VOL.4 「床暖房ってどうなんですか?」2004/01
   
床暖房ってどうなんですか。
倉田  いいと思いますが・・・。
どういうところがいいんでしょうか?
倉田 床から低温でジワッと暖めます。
  風も感じませんし音も感じません。
  設備っていうのはいかに感じさせないかなんです。
  目にも見えないので美観を損ないませんし、
  場所をとらないので空間の有効利用ができます。
  掃除もしなくていいし、夏にしまわなくてもいいんです。
  また、空気が汚れず、乾燥しないので体にもやさしいと言えるのではないでしょうか。
向き不向きがあるのでしょうか?
倉田 床が常に暖かいので天井の高い居室や吹抜の暖房には有利ですが、
  立ち上がりが遅いので外出帰りやトイレ、
  洗面室などすぐに暖めたい小部屋には不向きだと思います。
費用がかかりそうですが?
倉田 設置のコストは普及と改良により施工もしやすく、
  過当競争もあいまってどんどん安くなってきています。
  1件あたり60万から100万円位でしょうか。
  主流はガスで温水を作って循環させるものですが、
  その熱原機が給湯機を兼ねているので割安になります。
ランニングコストはどうですか?
倉田 電気で直に暖めるものは、コストがかかりますが、
  ガスならそんなにではないでしょう。でも一番安いのは石油でしょうか。 
  ガスの半分以下のランニングコストになると思います。
では、やっぱりオススメですか?
倉田 そうは言いきれません。
  マンションなど機密性が高くて上下左右に住戸があるような部屋では、
  床暖房の設備はあるけどほとんどつけた事がないという話をよく聞きます。
そもそも必要のないケースもあるという事ですね。
倉田 仕上げ材の制限もあります。「床はパインムクのフローリングで・・・」などと、
  打合せを進めていて、全体イメージが固まったところで
  「あとは、床暖房を。」などと言われると、困ってしまいます。
  ムク材でも使えますが樹種や乾燥の度合いなどよく吟味しないと、
  相当そったり縮んだりします。
  合板の場合も床暖房対応品を選ばないと塗装が劣化したりします。
その他に何かデメリットは?
倉田 床暖房は、快適故についつい使いすぎてしまいがちです。
  エアコンがついていると気になって消す事があっても床暖房の場合、
  請求書が来て始めて気が付くといった事にもなりかねません。
  ガス代が月に3万も4万もかかるという人もいます。
  ガス会社も安く導入してもらって、どんどん使ってもらおうという事でしょうか。
では、総合的にはどうなんでしょうか?
倉田 ケースバイケースですね、おすすめする場合としない場合があります。
  建物の構造や居室の条件、床材にこだわるのかどうか、
  とにかくローコストなのかどうか等、
  ただどうしても設置したいのなら最初に言ってもらいたいですね。
  床下の構造や仕上げ、全体のコストなど全てに影響しますから。
わかりました。
  とても参考になりました、その時にはよく考えてみます。

 ←モドル