interview vol.21  「高断熱24時間空調システムの家」  2009/12


−   最近「高断熱24時間空調システム」と言う言葉を時々聞くのですが。

倉田 はい、私共が横浜市で設計したその木造住宅が先日、完成1年を迎えました。

−  具体的にはどのようなものなのでしょうか?

倉田 まず北海道並の断熱材で建物をすっぽり囲みます。

−  いわゆる外断熱ですね。

倉田 はい、天井裏や床下も断熱材の内側にある状態にして、全館を熱交換換気・空調します。

−  快適なのでしょうか?

倉田 先日伺った時は11月で外気温は15度ぐらいだったと思いますが半袖姿で出迎えられました。

−  半袖ですか?

倉田 その時は室温は25度に設定していたそうですが、年間通して快適だそうです。

−  電気代がすごく掛かっていそうですね。

倉田 太陽光発電と併用ですが、ガスなしのオール電化で電気代が建替え前の半分になったそうです。

−  えっ!安いですね。夜でも25度でですか?

倉田 「夜中にトイレに起きるのがずいぶん楽になった。」と言っていましたからそうだと思います。

−  でも、空調ですから足元は寒そうな感じがしますが・・・。

倉田 計画当初は床暖房導入の話もでましたが、床下に換気設備を設け室内と床下の温度差が大きくならないようにしました。

−  床はひんやりともしないのですね。

倉田 暖かくもなく冷たくもなく自然な感じです、フローリングも床暖房用を選択する必要がありません。

−  なるほど。

倉田 またダクトで空調換気を行っているので風や音を殆んど感じません。

−  一般的に、エアコンの風の音は気になりますよね。

倉田 そもそも高断熱で室内温度も安定しているので過度な運転になる事もないのだと思います。

−  完璧ですね。

倉田 ただし、イニシャルコストは掛かります。

−  それだけの設備を導入するのですから当然ですよね。

倉田 設備費に加えダクトの工事費、設備が納まる天井高、断熱工事の費用、それに施行会社の理解が必要です。

−  「施行会社の理解」?ですか。

倉田 システムの趣旨を理解しないと空気が通らなければならない所を塞いでしまったり、機密性が必要な所に穴が開いていたりしてしまいます。

−  CO2削減にも貢献していますよね。

倉田 そう考えればイニシャルコストも地球を守るために必要な費用と考えられますね。(笑

−  住んでいてのデメリットはないのでしょうか?

倉田 休日外に出なくなって体重が増えたとか、魚を焼いた時には、しばらく臭いが抜けないと言っていました。

−  ・・・・・。

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