interview vol.20  「コストダウンのポイント100」  2009/07


−   ハイセンスなローコスト住宅、ズバリ!コストダウンのポイントを教えて下さい。

倉田 はい、では行きますョ!


1、 土地購入時に変形地、斜面地など条件で価格の安い土地を選ぶ。

・・・・・安い土地購入で土地建物のトータルコストを圧縮する

2、 土地購入の場合地盤の状況をよく確認しないと、基礎にお金がかかる。

・・・・・安い土地は理由を把握し購入メリットがあるかどうかを検証する

3、 土地購入時に設備の引き込み状況をよく確認しておく。

・・・・・引き込み多額の費用が掛かるケースもある

4、 要望は最初の段階で設計者に可能な限り伝える。

・・・・・要望を小出しにするとバランスの悪い建物になる

5、 ローイニシャルコスト+ローランニングコストがローコスト住宅。

・・・・・維持費、光熱費を含めたトータルコストで考えたい

6、 施工会社の話しにもよく耳を傾ける。

・・・・・建築は、そこに係わる色々な人の協力があって初めて出来る事を念頭に置いておく

7、 こだわりは持っていいが、頭は柔らかくしておく。

・・・・・「そのつまらないこだわりがコストアップの原因!」になる可能性がある

8、 全て人任せにせず自分でも情報収集に努める。

・・・・・相手が断片的な情報のみで話している場合もある

9、 工事中は現場を気遣い施主の誠意を見せる。

・・・・・「この人のためにやってやろう!」という気にさせる事が大切

10、 見積りを厳しく査定する。

・・・・・設計者による査定がベスト

11、 見積り後スペック変更も検討する。

・・・・・仕様変更には柔軟に対応したい

12、 見積り時には施工会社からの減額提案もしてもらう。

・・・・・思わぬ減額案が飛び出す可能性もある

13、 契約後に変更をしない。

・・・・・契約後の変更は常にコストアップとなる

14、 玄関を孤立させるのはスペースの無駄。

・・・・・不必要なスペースは極力省く

15、 廊下は極力少なくする。

・・・・・同じ延べ面積なら廊下が少ない程部屋は広くなる

16、 キッチンはダイニングの一部として計画すると空間は広くなる。

・・・・・間仕切りを減らすのもコストダウンの要素

17、 部屋数を少なくすると間仕切り、扉、照明などが減らせる。

・・・・・部屋を増やすとイモヅル式に設備が増える

18、 仕上の種類を少なくする。

・・・・・工事の職種を減らすのはコストダウンに有効

19、 付加機能のたくさん付いた設備を選ばない。

・・・・・付加機能が価格に反映されている場合が多い

20、 衛生陶器など物によっては価格が全く違う。

・・・・・素材と価格の十分な検討が必要

21、 水廻りの場所をまとめる。

・・・・・配管のロスが減るし、給湯時の捨て水も減る

22、 トイレ、洗面、脱衣、洗濯を1室にまとめるとコストは下がる。

・・・・・極力小部屋は造らない

23、 トイレと洗面を一緒にするとトイレの手洗いが省略出来る。

・・・・・手洗い付の便器の採用は避けたい

24、 窓は大きい物を少なく設ける。

・・・・・大きな窓を少なく付けて採光通風を確保した上でコストダウンを図る

25、 窓は引き違いのアルミサッシが安い。

・・・・・機能的で安価な引き違いサッシは有効

26、 窓が大きいほど部屋は広く感じる。

・・・・・外部が室内延長の広がりとして感じられる

27、 掃き出し戸は外と床の繋がりがとれるので部屋を広く感じさせる。

・・・・・床がつながっていると視覚的広がりの効果を生む

28、 収納を減らすと居住面積が増える。

・・・・・「とにかく収納を!」というのは箪笥の肥やしと同じ事

29、 施工面積を減らせばコストは下がる。

・・・・・本当に必要な広さを検討しておこう

30、 外壁、屋根面積を減らすとコストは下がる。

・・・・・屋根は勾配がきつい程面積は広くなる

31、 スペックダウン一辺倒のコストダウンでは質が保てない。

・・・・・質を落とすだけのコストダウンは考え物

32、 建物は形をシンプルに、凹凸があると費用が掛かる。

・・・・・壁の施工費は面積+コーナーの長さで決まる

33、 屋根を複雑にしない。

・・・・・屋根も端部の処理にはメートル単位で費用が掛かる

34、 2階建てなら部分2階より総2階の方が安い。

・・・・・無用な端部処理が不要で耐震上も有効

35、 トイレをいくつも設けない。

・・・・・出来れば1箇所としたい

36、 間仕切りを減らす。

・・・・・間仕切りには壁軸組み+両面ボード張り+両面仕上げの費用が掛かる

37、 既製品をうまく利用する。

・・・・・製作物は手間が掛かるので費用も掛かる

38、 一般的によく流通している素材を使う。

・・・・・いわゆる量産品は安い

39、 節のある木は安い

・・・・・節も木の個性と考えればOK!

40、 パインなど柔らかい木は安い。

・・・・・傷付きやすいがそれも味と考えればOK!

41、 木材も材種によって全く価格が異なるので注意する。

・・・・・安価な一般流通材を使う

42、 エアコンは本工事に含めないほうが安く出来る。

・・・・・家電量販店の方が安いケースが多い

43、 隠蔽式のエアコンは機器、施工費共に高い。

・・・・・いづれメンテナンスも必要になる

44、 流行の素材の使用は避ける。

・・・・・飽きるし流行遅れになると替えたくなる

45、 クッションフロアよりPタイルを使う。

・・・・・チープなクッションフロアは避けたい

46、 Pタイルは安い。

・・・・・昔ながらの安価な素材

47、 塗装が出来ない時は塗装風クロスを使う。

・・・・・塗装の施工費が高い昨今、塗装風クロスで我慢

48、 床はパインのフローリングで薄くて幅の狭い物は安い。

・・・・・パインは安い、薄い材料は安い

49、 床のワックスは素人でも塗り易い。

・・・・・施主工事とすればコストが抑えられる

50、 石油化学製品は使わない。

・・・・・経年による味わいが出ないので避けたい

51、 和室は作らない、欲しい場合は洋風造作の畳部屋にする。

・・・・・和室の壁や天井の造作は手間が掛かって割高

52、 琉球畳は畳の枚数が倍になるので割高になる。

・・・・・意外に高いので要注意

53、 家具工事を減らして造作工事とする。

・・・・・家具工事は仕上りはきれいだがコストアップとなる

54、 キッチンの天板はステンレスが安い。

・・・・・機能的にも優れている

55、 ステンレスパイプのレードルハンガーはローコストでデザインもグッド。

・・・・・安価な素材を上手く使いたい

56、 シンク下や洗面下は扉無しにするとコストダウン出来る。

・・・・・熱気もこもらず、ゴミ箱スペースとしても有効に利用出来る

58、 引出しは高い。

・・・・・扉なし、あるいは開き扉を数少なく付けるのがローコスト

59、 オープン棚は扉付きより安くて部屋も広く感じる。

・・・・・扉付きの吊戸棚は圧迫感がある

60、 施工会社によってメーカーの仕入掛率が違うのでメーカー指定はなるべくしない。

・・・・・施工会社の意見を聞いてみる

61、 タイルは大きいほど歩留まりが悪い。

・・・・・施工箇所端部で枚数が多く必要になる

62、 左官工事は割高なので、使用部位をよく考える。

・・・・・壁面に採用すると面積が広いので意外にコストアップ

66、 公的機関の助成金を利用する。

・・・・・事前に十分調べて積極的に利用したい

67、 廻り縁を付けなければローコストとなる。

・・・・・見た目もスッキリする

68、 巾木も付けなければ安くなる。

・・・・・掃除機をぶつけたりするのであった方がいいケースのある

69、 外構はなるべくシンプルにする。

・・・・・あるいは工事から外して住みながら自分でやる事も可能

70、 ランニングを減らすためにサッシにはペアガラスを採用。

・・・・・大幅なコストアップにはならない

71、 居室のベース照明には電球色の蛍光灯を採用。

・・・・・低電力、低発熱、高寿命でランニングコストを抑える

72、 ランニングを減らすために外壁屋根床下の断熱をしっかりやる。

・・・・・断熱材は意外に安価

73、 日照、採光、通風を考えたプランニングをする。

・・・・・機械設備不要の快適環境でランニングコストを抑える

74、 床暖房はランニングを減らすだけでなく機器が室内に出ないので美的かつ空間の有効利用にもなる。
・・・・・イニシャルコストも低下傾向にある

75、 ダウンライトは天井の加工や補強など余分な費用が掛かる。

・・・・・1階に設ける場合には遮音の問題も発生する

76、 ダウンライトを居室のベース照明にすると数が増える分費用も増える。

・・・・・器具の数が増えると費用はアップする

77、 ドアや収納扉は数を減らすとローコストになる。

・・・・・扉は材料費+金物費+施工費+塗装費からなる

78、 ロフトやロフトベッドは空間の有効利用となる。

・・・・・面積制限がある時には容積でスペースを確保する

79、 2X4の構造材は仕上材としても使える。

・・・・・安価ながらムク材なので質感がある

80、 代理店を通さなければ材料は安く買える。

・・・・・代理店を通さない販売形式をとるメーカーをチェックする

81、 分離発注は必ずしもコストダウンにならない。

・・・・・責任の範囲が明確にならない場合は避けたい

82、 DIYは必ずしもコストダウンにはならない。

・・・・・失敗覚悟ならやってみる価値はある

83、 バルコニーや階段の手摺は素通しの方が空間が広く感じられてローコストとなる。

・・・・・施工費も安い

84、 狭い洗面室は鏡を大きくすると広く見える。

・・・・・湿気のある部分では耐食鏡としたい

85、 脱衣室と浴室はガラスで仕切ると広く感じる。

・・・・・透視効果と壁の厚みもなくなるので実際にも広く使える

86、 間仕切りに使うもので、ガラスは安いがガラスブロックは高い。

・・・・・ガラスによるの間仕切りは透視効果で部屋が広く感じる

87、 石は高いがタイル形状のものならそんなに高くない。

・・・・・タイル形状の石材は意外に安価

88、 造作材もペンキ仕上なら集成材で構わない。

・・・・・集成材は安い

89、 取手や水栓金具など直接手で触る物は仕様を落さない。

・・・・・安いものの寄せ集めでは心の豊かさは得られない

90、 軒や庇を出すのは夏の遮光等ランニングコストを押えるのに有効。

・・・・・イニシャルコストを掛けずにランニングコストを抑える

91、 軒や庇を出すと外壁がよごれにくくなりメンテナンスが楽になる。

・・・・・外壁が汚れ易い構造はランニングコストアップとなる

92、 浴槽へのお湯張りは給湯器の追炊き配管から行なうとバス水栓は不要となる。

・・・・・配管施工費も不要となる

93、 インテリアはなるべく造り込まず家具で演出する。

・・・・・造り付けの家具は生活スタイルの変化に追随しづらい

94、 モザイクタイルは安い。

・・・・・昔からある安価な材料

95、 ペンキはクロスより高いが塗り重ねでどんどん味が出る。

・・・・・クロスの張替えでは得られない

96、 テラコッタタイルはいいがテラコッタ風タイルは使わないほうが良い。

・・・・・経年による味わいの出ないものは飽きる

97、 新製品は高い。

・・・・・「マイナーチェンジで価格改定」というのがよくある

98、 オール電化にするとガス工事がなくなるのでローコストになる場合がある。

・・・・・給湯システムやIHヒーターなど高額機器の購入など総合的検討が必要

99、 インテリアは淡い色の方が広く感じる。

・・・・・特に日本の住宅は天井が低いので明るい色が有効

100、インテリアは淡い色の方が明るいので照明のランニングコストが押えられる。

・・・・・特に床が濃いと光を吸収して照度が得られない



−   ありましたねぇ!

倉田 最後までお付き合いありがとうございました。

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