interview vol.12 「 『それは出来ません!』の怪 」   2005/10

   
−  今回の工事では参りました。
倉田 どうかしましたか? 
−  あれは出来ないこれも出来ないって何にも出来ないって言うんです。
倉田 「出来ない!」にもいろいろありますからね。
−  どういう事ですか?
倉田 技術的に出来ないとか、時間的に出来ないとか、やった事がないから出来ないなど・・・。
−  取手ひとつ変えられないんですよ。
倉田 システムキッチンなど工場の生産ラインに乗った物で変えられない物もあれば、
  変える事によってコストアップになってしますケースもあります。
−  クロス張りの壁を塗装仕上げにする事は出来ないんですか?
倉田 出来ますけどちょっとやっかいです。
  クロスを剥がすとその裏紙が残るのですが、綺麗に塗装するためにはその裏紙まで剥がさなければいけません、
  通常スポンジなどで表面を濡らし、丁寧に剥がしますがこれが大変な作業です。
−  木目のシート張り建具にペンキは塗れないんですか?
倉田 塗れますけど下地処理が必要です、
  また絶対剥がれないとは言いきれないので施工会社は嫌がるかも知れません。
−  タイルの上にタイルは貼れないんですか?
倉田 これも貼れますけど下地処理が必要です。
−  ようは何をするにもひと手間かかるっていう事ですね。
倉田 そうなんです、下地の状況によって工事に責任が持てなかったり、
  時間が無かったりすると「出来ません」となってしまう訳です。
−  それ以外には、どういう時に「出来ない」となるのでしょうか?
倉田 技術的には出来るけど会社の方針でそれはやらない事になっているから出来ないとか、
  その工事は請負金額の中では賄えないので出来ないとか、
  それをやると引渡しに間に合わないから出来ないとか・・・。
−  いろんな言い訳があるんですね。
倉田 言った通りにやってもらっても数年で不具合が生じても困りますから、
  理由を聞いて十分検討してから判断する事と、
  お互いに最終仕上りの共通認識を持って協力し合う事が大切だと思います。
−  分かりました、ちょっとコミュニケーションが足りなかったかもしれません。
倉田 よく話してみます。


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