てっちゃん

 

 やぁどうも。キクチです。えーとね、今日はね、僕の友達のてっちゃんを紹介したいと思います。ほら、てっちゃん。こっち来て。はいっ、この人が僕の友達のてっちゃ・・・・・ちょっと!!何やってんの!ここ3階だよ!あぶないよ!てっちゃん!!いやちょっとすいませんね。やんちゃでね。ほんとにね、こういうとこも含めてね、僕は・・・・ちょっと!!!3階だよここは!!やめなよ!笑ってる場合じゃないよ、てっちゃん!!頼むよ、てっちゃん。すぐ終わるからさ。えーとね、てっちゃんとは小学校からの友達ですね。そう、うん。小学校から高校までずっと同じ学校です、はい。 クラスですか。クラスは・・・・・今、同じクラスだから、それを含めると11年間で約半分・・。そうですね、5回くらいは同じクラスになってますね。 ん?あれ?その財布。それって・・・僕のだよな。僕のだな。そうだな。返してくれないか。笑ってる場合じゃないからさ。ねぇ。笑うのをやめて僕の話を聞いてくれ。僕の、財布を、僕に、返して、くれ。いいかい。渡すんだ。ゆっくりでいいから。てっちゃん。今、大事な時なんだ。悪ふざけはやめようよ。てっちゃんだってテレビに映りたいだろ。映りたいからそんなことしてるんだろ。そうなんだろ。 えっ?はい、大丈夫です。少しやんちゃな性格なだけですから。すぐに済みます。てっちゃん。てっちゃん!この遊びは明日やろう。明日ならちゃんと付き合ってあげられるから。とりあえず窓から離れよう。ゆっくりでいいから。離れよう。笑ったってだめだ。離れるんだ。いいや、じゃあ分かった。その財布をこっちに投げてくれればいい。簡単だろ。サルにだってできることだよ。もちろん、てっちゃんはサルとは違う。友達だ。そうだ。友達。うん。あれっ、てっちゃんワイシャツにゴミ付いてるよ。おらっ!!返せコラッ!!あっ!うああああ!!!わぁ。ああ。うっわああああ。あー。えー。えーとですね。えーと。あぁと。てっちゃんがですね。僕の友達のてっちゃんがですね。えー。僕の財布と一緒に3階から落ちました。 はい。落ちました。



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