暗中模索

 
 「ぷあっ。見えねっ」

 「ちくしょう。ここかぁ!」

 「いてっ。何だてめぇ、見えてやがんのか?」

 「うるせぇ。見えるわけねぇだろう。勘だよ、バカ」

 「バカだと、この野郎!こっちだってやってやる。そりゃあ」

 「残念。もう俺はさっきのとこから移動してんだぜ。当たるわけねぇだろう。ざまぁみ・・ひゃあ」

 「何だ、どうした」

 「何か、何かが、冷たいものが足に触れた!てめぇ、何か仕掛けやがったのか」

 「知らねぇぞ。俺だって真っ暗になるなんて知らなかったに決まってるだろうが」

 「ちくしょう。そんなことは俺だって知ってるわ、あほう。あほう。ふぅ。ちょっとそっちに行くからそこ動くなよ。まったくもう。だっ・・うわぁ」

 「えっ。どうした!何があった。おいっ」

 「はぁ。いってぇなもう。訳分からん。とにかく落ちた。穴か何かだ。深い・・・かな」

 「えっ、おい大丈夫か。ちょっと、えーと、じゃあ誰か助けを呼んで来るからな!ちょっと待ってろそこで」

 「ちょっと待てよ。ここにいろよ。なぁ。おい。お前が助けろよ。おい」

 「いや、呼んでくるよとにかく。俺が助けにそっちに行ってもな。真っ暗だから分かんないし。あぶないからさ」

 「ちょっと待ってくれよ!いろよここに!なぁ!おいっ!おーい」

 「すぐに戻ってくるよ。安心しろよ。じゃあ、ちょっと行ってくるな。・・・・・って、ごばぁあ!」

 「どうした」

 「あああっっ。・・・・真っ青だ。何か、真っ青だ。」

 「海か?そこは海なのか?」

 「まだ良く分からないけど、真っ青だから、たぶん海か、空だ。」

 「本当かい。いいなぁ」

 「とにかく、サーファーか飛行機乗りがいると思うんで、ちょっと探すわ。」

 「了解」

                              終了            TOPへ