3月の。2005。


3月24日 23:59 「がんばれ考察」

図書館で初めて「タイトル借り」してみた。『針がとぶ』というタイトルに何かざわざわしたものを感じ、中身を確かめずに借りました。そう、自分の直感を信じて。
その日のうちに読破し、一息ついて、直感的に後悔しました。


先日、深夜に鼻歌交じりに(あくまで比喩です。歌ってません)ラジオを聴いていると、髭もじゃのおじさんが「がんばれ」という言葉について何か言っておられました。
この「がんばれ」という言葉、なかなかどうして多くの問題を抱えているようですね。思いつくだけ挙げてみようと思いました。


・すでに頑張っている人には効果が無いことがある。しばしば逆効果になることも。
・他に励ましの言葉が見当たらなくて、仕方なく使われることがある。
・上記に関連して、逆に言っている本人が無力感に苛まれて落ち込むケースがある。
・もはや「がんばれ」という言葉本来の意味はどこかへ追いやられ、私励ましてますというメッセージそのものになっている。

・命令形なので薄っすら威圧的。

ちょっと考えただけで、こんなに。そこで、代用案はないものかと考えてみました。自作の案を考えるのは面倒くさいので、既に出回っている励ましフレーズで使えるものは無いか、探しました。

・ファイト!・・・・・ほとんど死語だけど、英語なので言われる側の負担が少ない。気恥ずかしいので避けたい。
・気にするな・・・・・「悩みの無視をそそのかす」という点は、当時としては画期的。
・次があるさ・・・・・未来への希望を示唆するフレーズ。お前に何が分かる、と言い返されたら万事休す。
・ま、飲みなよ・・・・・酒の一時的な効力を利用するケース。曖昧な笑顔がポイント。
・お前はまだいい方だよ。俺なんてさ・・・・・より悪いケースを持ち出し、比較して安心させるパターン。言う側の力量が問われる。
・うんうん。分かる・・・・・共感をアピールする。言い方が真剣でないと、とても危険。

・なるほどね・・・・・効果は無いが、何も思いつかなかった場合はとりあえず。

けっこうあるなぁ。でもどれが最良かというと、これだというものは無いかもしれません。どれも一長一短なので。まぁ、差し迫った励ましの予定があるわけじゃないので、今日はもういいや。

何か、励ましのベストフレーズをお持ちの方がおられましたら一報ください。あ、フレーズでなくても「ぽんっと肩を叩く」などの方法もありました。「ぽんっ」の力加減が難しそうだけど。
3月22日 20:17 「夜逃げの掟」

前々から「もうすぐ」とは思っていました。

そうしたら案の定、ある床屋は潰れました。思えば、開店準備の段階から逐一、僕はその動きを見ていました。

ある日、バイト帰りの道をとぼとぼ歩いておりますと、以前は床屋だった空き店舗の壁面に、20代後半と思しき男性が黒いスプレーで丁寧に「RESPECT」と書いているところに出くわしました。

ひゃあ。僕は、ドッジボール大会に出場する小学生達が自分のチームに「ブラックドラゴン」と名付けてしまうような、かっこいいネーミングというものに対する安直さをそこに見出してしまい、居心地の悪い思いをかみ締めながらその場を去りました。


それからしばらくして、床屋「RESPECT」はめでたく開店を迎えました。おしゃれな「カットサロン」が開店したのかと思っていたのですが、そこは理容室でした。つまり、主に男性客を相手にし、髭剃りも行う「床屋」というわけです。「この店、危ないかも」と思いました。

なぜなら、輸入雑貨店で売られているような「OPEN」と書かれた看板が置かれ、精一杯おしゃれを意識した外観。表には店員のものであろうアメ車がとまっている。でも、床屋。要するに、誰をターゲットにした店なのか分からない店なのでした。中年男性はそのアメリカンな外観に圧倒されてしまい、間違っても「パンチパーマお願いします」なんて言いづらい。若い人は「美容室ならまだしも、床屋かい」と敬遠してしまいがち、と容易に推測できます。あくまで床屋ですから、女性は来ません。どう見ても八方塞。


開店からまたしばらくすると、しだいに様子が変わってきました。まず、店の窓に「激安」をアピールする値段表が掲げられました。次に、店の外にワゴンを設置して古着を売り始めました。その後、今度は小さな電光掲示板が取り付けられ、そこからは安さを声高に叫ぶオレンジ色の文字が流れ出しました。さらに数週間も経つと、ジュースの自動販売機が置かれました。

僕には、それらの変化が「私達はピンチです」のメッセージに思えてなりませんでした。僕はそこを通る度、ボールを追いかけ道路に飛び出す幼児を見るようなドキドキを感じ、心の中で「あぶない!」と叫んだものです。しかし、一方では「ちょっと考えすぎかな」とも思っていました。

某月某日、「RESPECT」の前を通りかかると、惨状が。乱暴に下ろされたブラインド、倒れた看板、真っ暗な電光掲示板。そこまでしなくても、というくらいに分かりやすい荒廃があちこちに広がっていました。そして、壁にはあの「RESPECT」の文字が虚しく残されていました。やはり僕の感じたあれは、SOSのメッセージだったようです。

今日、前を通過したのですが、壁の文字は綺麗に消されていました。

3月17日 09:00 「海獣−遊泳禁止をものともしない若者の瑞々しい勇気と栄光を求めて止まない叩き上げの不動産王の跋扈−」

「海獣」とは、海に棲む哺乳類、すなわちクジラやトド、アシカなどを指す言葉です。だがしかし、僕はこの文字を見かけると、控え目に興奮します。

それと時を同じくして、頭の中では海中をきゅんきゅん泳ぎ回るトラの映像が何故か浮かびます。おそらく、「海」と「獣」というアンバランスな文字の組み合わせがこのような想像を生む要因だと思われます。


急転直下、水道橋まで絵やら立体やらの芸術を見に行ってきました。様々な人の作品が展示されている催しだったのだけど、ずんぐりむっくり順々に見ていくうち、何作品か題名の後ろに「副題」のついているものに出くわしました。きちんと筋の通った副題なら良かったのですが、残念ながら「FUTURE−輝かしい未来への機知に富んだ躍動−」(そんなタイトルは無かったけど)のような、うるさい副題でした。
「勿体無いなぁ、作品自体は悪くないのに。いっそ無題にしてしまえば誰も傷つけないんだからそうしなよ」とおせっかいな事を、しだいに薄れていく意識の中で考えていました。


ギャラリーはほとんど自分以外誰もいなくて、空調のため息にも似た音がサラウンドで聞こえてくるくらいに静かで、要するにとても気分が良かった。こうでなくちゃ、と改めて思いました。

3月08日 23:47 「FROM COFFIN」

定期的に悪夢を見ては飛び起きる、いわばピョン吉志向の者です。こんにちは。

じわじわと、自分の見る悪夢の路線が新たに確立されつつあります。そこで、最近までの変遷をここにフローチャート形式で記録させていただきます。

 ・80年代のメイン悪夢 「転落」 主に、自宅の外階段の踊り場から落下、門に激突する寸前で起床、というパターン。落下によって味わう、内臓が浮き上がるような感覚が妙にリアルで。
   ↓
 ・90年代のメイン悪夢 「射殺」 ほとんどが腹を撃たれるパターン。撃たれると、「痛い」のではなく「熱い」と感じるのだな、という感覚を何度も学ぶはめになりました。実際、撃たれた事など無いのに、何様だ。
   ↓
 ・ミレニアム〜2003年頃までのメイン悪夢 「怨恨」 理由が不鮮明なまま、知人に恨まれているパターン。ある意味、一番たちが悪いかもしれない。
   ↓
 ・2004年後半〜今のメイン悪夢 「デジャヴュ」 そして現在、流行中なのがこれ。夢の内容というより、場所が恐い。今までの人生の中で出会った様々な場所が、複雑に絡み合って、ひとつの場所に結合されて夢に登場するのです。夢の中で「ここはどこだろう。行った事があるような無いような」という違和感をずっと抱いたまま過ごし、目覚めた後も「どこだっけ」感が持続するのでかなりやっかいで気持ち悪い。探偵癖があるので、どうしても謎を解きたいと思いがち。極端な場合、数日考え続けたりします。
 ところで、特に理由もなく、過去に出てきた場所を数点掲載します。

 「高い天井への吹き抜けがあり、その中を廊下がいくつも通っている旅館風建物」
 ・分析の結果、たぶん「千と千尋」に登場した建物と大学の校舎、祖父母の家をミックスさせたものだろうと判断。

 「住宅街にぽつんと建つ、シャッターの半分閉まった酒屋風商店」(2回ほど登場)
 ・熟考の末、住宅街に関しては、通っていた高校の近くの住宅街ではないかと判断。ただ、建物についてはいまだ不明。

 「道路との間にどぶ川を挟んで並ぶ、コンクリート製の井戸がある平屋の家々」
 ・道路との間にどぶ川を挟んで並ぶ家々は地元にあるが、コンクリート製の井戸がある平屋の家の出典は不明。

 終わり
3月02日 21:00 「ボールボーイの憂鬱が一転」

日本人サッカー選手(日本人スポーツ選手)のインタビューを見ていると、イラッとします。判を押したように皆同じ話し方なのです。例としてはこんな感じ。

「まぁ、今日はちゃんと結果出せたんでね、今後もこういう試合をしていければいいとは思いますけど」

ここぞとばかりに、「でね」と「けど」を挟んできやがるのです。自分の言葉で話してください、タコ。と思ってしまいますが、これからもどうにもならないのでしょう。

話は変わるけども、テレビで放送される洋画は独特の味があって好きです。吹き替え、そして、無理やりCMに入るあの感じ。とっても安っぽくていい。どんな映画もB級に見える。
個人的に、吹き替えバージョンの方がぐっとくるのは、シュワルツネッガー、スタローン、ジャッキー・チェン。バック・トゥ・ザ・フューチャーのマーティもいい声してたなぁ。

シュワさん、スタローンはアクションシーンで出るうめき声が好きです。「ウハァ」「ウッフ」「アォウ」「ウォオオオオ」など、いちいちうるさくてとてもいい。

でも、やはり吹き替え界のキングはなんといってもジャッキー・チェン。彼は別格です。幼い頃から吹き替えでさんざん見ているせいか、むしろ吹き替えの方が本物だくらいに思っているふしがあります。ジャッキーの場合、うめき声どころか、全てのセリフが面白い。

「こうなっちまったのも全部君のせいだぜ」「おい、ちょっと待ってくれよ!僕も行くってば」「これからウォン先生に会いに行くんだ」

実際、こんなセリフがあったかどうかなんざ知ったこっちゃないですが、こういうセリフが何だか面白くてしょうがないのです。もちろん、ジャッキーは吹き替えじゃなくても十分面白い。腹を蹴られた時の表情とか、アクシデント(熱いものに触れてしまう等)に遭った時の慌て方。時折見せる、わざとらしい真剣顔など。ジャッキーの魅力は尽きませんが、これくらいにしておきます。前も書いた事があるような気もしてきたし。つい熱くなってしまいました。