早朝5時に芦安のバス停駐車場につき、朝一の広河原行きに乗車します。
夜叉神トンネルから広河原までの南アルプス林道は崩落のためここ何年か通行止めになっていて、
ようやく開通しました。が、同時にマイカー通行規制となってしまいました。
広河原からは白根御池小屋まで約3時間。
急登のためかほとんどは大樺沢沿いのコースが利用されるのでこちらはいたって静かです。
これは「サンカヨウ」。秋に青い実をつけます。
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白根御池小屋は雪崩により全壊し現在はプレハブで営業中でしたが、
新たに鉄筋により建築中でヘリにより資材を運搬していました。
御池小屋からの登りが草スベリとなり、高山植物が随所に見られます。
「ミヤマハナシノブ」は今まであまり見たことがなかったのですが、うす青く透き通った感じがします。
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草すべりを登って小太郎との分岐までやはり3時間。
この間も急登ですが登るにつれて対面の鳳凰三山の様子が変わり、地蔵岳のオベリスクが見えてきます。
そしてパッと開けたところにあるこれが「シナノキンバイ」、斜面一面に咲くさまは見事です。
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ここまでくるともう高山植物だらけです。「ミヤマクロユリ」もそのひとつ。
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小太郎尾根との分岐を過ぎ稜線に立てば「ハクサンイチゲ」がまっ先に目に飛び込んできます。
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つづいて「ミヤマキンバイ」。ハクサンイチゲとともに白と黄色で岩肌を覆っています。
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今回の目的は北岳に、しかもこの時期にしか咲いていないキタダケソウを見るためです。
そしてこれが「キタダケソウ」です。
本来ならば北岳の南側斜面に咲いているのですが、
これは肩ノ小屋で移植して栽培されているもので小屋の脇に一株だけあります。
とはいえ六月末にこの場所でしか見られない貴重なものです。
キタダケソウはハクサンイチゲと間違えやすいですが、葉と花びらが異なります。
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小屋に荷物を置き、北岳の山頂に向かいました。
肩ノ小屋から北岳のピークに向かう岩稜地帯で見られた「チョウノスケソウ」です。
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北岳の山頂(3,192m)。天気はますます良くなって、夕刻には日が差し鳳凰三山や甲斐駒、
仙丈、間ノ岳、遠くに八ヶ岳、富士山までも見えました。そして広河原も遥か下に見えます。
御池小屋への荷揚げヘリでさえ見下ろす位置でした。しかし寒かったです。
これは同じように岩に張りつくようにして咲いている「イワウメ」です。
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北岳のピークから間ノ岳を見るとこんな感じで、農鳥岳はその先になります。
もともとキタダケソウはここを下ったコルからのトラバース道にあるのですが、
すでに咲き終わったとのことでした。
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翌日は日の出を見てからゆっくりと下山しました。この時期に思っても見なかった好天に恵まれ、
小太郎分岐から振り返れば青空をバックにした北岳が美しいです。
下りは二俣への道を選び御池小屋への分岐まで戻ってきましたが、
どちらかといえば大樺沢沿いのコースのほうが歩きやすいのかも知れません。
そして最後に見つけたのは「キバナアツモリソウ」です。(場所は伏せます)
広河原山荘に着くころにはすっかり曇ってきて出合いの橋から振り返っても頂上は見えませんでした。
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