前日のうちに扇沢に入り、登山道近くのスペースで仮眠しました。
そこは標高約1400mで寒いです。
早朝、少し明るくなってきたのでライトを使い柏原新道と書かれた登山口から登ります。
下に扇沢の駐車場が見えるころ、上のほうには針ノ木岳が見えるようになりますが
少しガスがかかっていました。
柏原新道は歩きやすいと評判の道で、確かに足の運びが大きくならないように岩や木材を使って
階段状にきれいに整備されています。ケルンを通過するころから前方に種池山荘が見えるようになります。
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所々で針葉樹らしい独特の香りが漂っていてとても癒されました。登りの傾斜は次第にゆるくなり、
ちょっとしたガラ場を越えると斜面一帯にコバイケイソウの群落が見られます。
ここのチングルマはすでに花が終わっていました。
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斜面の先には赤い屋根の種池山荘がありました。
4時間半の長い登りで汗を出し尽くしてしまった感じがします。
すでに両側がガスに囲まれ、遠望はきかなくなっていました。
山荘の周囲にはずっとコバイケイソウの原が広がっています。
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ここからは緩やかな稜線歩きとなり爺ヶ岳に向かいます。爺ヶ岳の名は
「種まき爺さん」の雪形が残るところから来ているようです。爺ヶ岳南峰まで約1時間、
時々ガスが晴れて冷池山荘までの稜線が見えるのですがそれ以上は見られません。
これはチシマキキョウ、イワキキョウと間違えやすい。
緩やかな道ではありますが疲れが出てきて結構つらい登りでした。
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このあと中央峰のピークに立ち寄り冷乗越に下りますが、
その途中のハイマツ帯の中にタカネバラを見つけました。ほんの数株で、花はいくつも残っていません。
冷池山荘はリニューアルしたということでトイレも水洗になっています。
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次の日の朝、朝食の弁当を受け取り、アタックザックに水と雨具を入れて山荘を出ました。
星が出ています。ライトを頼りにテント場を過ぎ、まずは布引山に向います。鹿島槍の北峰が見え、
南峰にかかっていたガスも少しずつ取れてきていました。
西側には昨日見ることができなかった剣岳の岩峰が朝日に染まってそれはそれは綺麗に見えました。
剣岳はここからの角度が最高だと思います。
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布引山に着くころにはすでに朝日が昇って南側の稜線が遠くまで見えます。
よく見れば槍ヶ岳まで見えました。ここから鹿島槍ヶ岳までは1ピッチです。
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鹿島槍ヶ岳南峰の山頂に立ってみれば吊尾根を隔てた北峰のその先に五龍、唐松、白馬岳への稜線が、
そして南へは爺ヶ岳から針ノ木、蓮華にいたるS字型の稜線がずっ〜と続いています。
そして西には剣岳から立山が黒部の十字峡をはさんで立ちはだかっています。
北アルプスはやはりスケールが大きいです。
この画像では見にくいですが北峰の真下にキレット小屋を見ることができます。
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しばらく楽しんだ後、撤収して戻ります。
冷池山荘手前のお花畑ではまだ花の残っているチングルマの群落とツガザクラ、ハクサンフウロ、
クルマユリなどが見られました。
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すでにこのころからガスが上がってきていて、
できることなら赤岩尾根の分岐あたりから鹿島槍の双耳峰を画像に収めたかったのですが、
ここから見たのが最後でした。
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冷池山荘で荷物を引き取り、もと来た道を引き返します。
剣岳をバックに荷揚げのヘリを撮影しました。
種池山荘からの下りは3時間でした。
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