北岳とキタダケソウ

 
【山梨県中巨摩郡芦安村 北岳】


 北岳の花といえばキタダケソウ、これほど有名な高山植物はないでしょう。 それはこの時期(6月下旬から7月初旬、ただしバスが開通するのは7月1日からです)に、 この場所でしか見られないからです。

 芦安−広河原間の南アルプス林道は、夜叉神トンネルの先が何年か前に崩落して以来通行止めが続いていました。 ようやく開通したと思えばマイカー通行規制となってしまいました。これは奈良田からの南アルプス公園線でも同じで、 昨今の事情を考えればやむをえないかと思います。

 多くの登山者は大樺沢沿いのルートを取るようですが、あえて白根御池小屋のルートを使いました。 急登ではありますが静かな山行になります。御池小屋まで3時間、肩ノ小屋までが4時間程度で、 北岳のピークまではさらに1時間位です。
 御池小屋から稜線にかけての草すべりには数多くの高山植物が咲き乱れています。シナノキンバイ、 ハクサンイチゲ、クロユリ等々。

 そして、これが目指したキタダケソウです。北岳山頂の南東斜面にしかないのですが、 これは肩ノ小屋に移植されたものです。山梨県の絶滅危惧種に指定されるほど稀少なものです。 一見するとハクサンイチゲと間違えやすいのですが葉と花びらが異なります。 ハクサンイチゲは頂上近くの稜線に一面に咲いていてそれはそれでまた美しいものです。

 キタダケソウを見るために登って十分満足したその帰り道、思いもかけないものを見てしまいました。 それがこのキバナアツモリソウです。

 (2005年7月)
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