【多摩のちょいスポット:009】
 

多摩送信所跡

多摩送信所跡

 町田市相原にある法政大学の多摩キャンパス内には「多摩送信所跡」という記念碑が置かれています。 法政トンネルの東側から100mほどのところにあり、すぐそばにアンテナを立てた木柱の台石もあります。
アンテナを立てた木柱の台石

 記念碑に刻まれた内容によれば当時の南多摩郡堺村相原(町田市)から横山村寺田(八王子市)にかけての 広大な土地に長さ60mの木支柱によって空中線6基が建てられたそうです。 建てられたのは戦争末期に近い1944年(昭和19年)で、本土空襲の本格化に備えて対外送信を確保するため とされています。隠蔽送信所となっているので樹林の中に設置され多くの人の知るところではなかったのかもしれません。 翌年4月に完成し、5月から操業を開始しています。
 そして1945年8月10日から15日にかけて日本政府のポツダム宣言受諾に関するニュースを 送り出したのです。政府の外交ルートとは別に送信され、ポツダム宣言受諾表明に関して歴史的役割を 果たしたのです。ただ、この送信所は開設以来たったの1年半で活動の幕を閉じました。
 法政大学では多摩キャンパスが多摩送信所の跡地に位置していることからその事歴を後世に伝えるため この記念碑を誌したとあります。

 (2010.9)



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