【多摩のちょいスポット:008】
 

稲荷塚古墳

稲荷塚古墳

 大栗川沿いにはけっこう古代の遺跡があるらしく、これもそのうちの一つで「稲荷塚古墳」 というものです。場所は多摩市百草の集会所と児童公園そして古い民家に囲まれた地味なところです。 奥に見えるのは墳丘の上に建てられた恋路稲荷神社です。(妙な名前のお稲荷さんですが、 付近は恋路原(こいじっぱら)といって鎌倉時代に遊郭があったとされています)
 説明板によれば「全国的に珍しい八角形墳。幅2mの周溝の内側に径34m・2段の墳丘を築き、 2段目に切石造りの横穴式石室がある。7世紀の古墳。近畿以外で八角形噴が発見されたのは始めてである。 (多摩市教育委員会)」というほどに、わりと貴重なもののようです。 いわゆる古墳時代末期、聖徳太子のころのものでしょうか。
 しかし八角形の形は崩れてしまい、上の部分は削られて別の神社(恋路稲荷神社)が建てられました。 なおかつ、石室は盗掘され、遺物なども持ち去られたといいます。 いずれも明治のころの話ですが。そして現在、石室は薬品などによって保存処理された上で埋め戻され、 その上面に色違いのブロックを使って石室の位置がわかるように配慮されています。
稲荷塚古墳、石室の位置

 昭和33年に東京都指定の文化財(史跡)になりました。なお、近くには他に臼井塚古墳、 庚申塚古墳などがあるようですが民家の中だったりして確認していません。

 (2009.2)



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