【多摩のちょいスポット:007】
 

向ノ岡(むかいのおか)

小野小町の向ノ岡

 先月の「小町井戸」にからんで、ほんとに小野小町が来たのかなとなんとなく気になっていました。 すると聖蹟桜ヶ丘の近くに向ノ岡(むかいのおか)という場所があって、そこに小野小町がこの地をさして 詠んだという歌の歌碑が残されていてそれとなく痕跡を残しているようでした。
 その歌碑に彫られた文字は難しい書体で読みにくいのですがこのように書かれています (案内板より:多摩市教育委員会)。
向ノ岡の歌碑

 平たく言えば 「武蔵野の、向の岡の草なれば、根を尋ねても哀れとぞ思ふ」  となり、“彼女が父を尋ねてみちのくに行く途中、武蔵野の向ノ岡を詠んだもの”とされています。

 聖蹟桜ヶ丘から川崎街道を稲城方面に進むと、連光寺の坂の手前に「向ノ岡」という交差点があり、 川崎街道(旧道ではなく、新道のほう)を跨ぐ桜橋のたもとに歌碑があります。 この場所は確かに多摩川を挟んだ府中側からみればたしかに「むかいのおか」というにふさわしい場所ではあります。 ただ、現在では交差点と橋(向ノ岡大橋)と道路(向ノ岡通り)にしか「向ノ岡」の地名は残されていません。
 和歌に詠まれたから地名をつけたのか、地名があって詠まれたのかはわかりませんが、 いずれにしても小野小町は近くまで来ていたといえそうです。
 なお、この碑の隣には「御駒桜」という石碑もありますが、これは明治天皇の行幸の折に 御馬をつなぎとめた桜があったということです。
「御駒桜」


 (2009.2)



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